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ディオクレティアヌス宮殿(Diocletian’s Palace) |
ディオクレティアヌス宮殿は、クロアチア・スプリト市にある古代ローマ皇帝ディオクレティアヌスの宮殿跡であり、現在の市街地と一体化した世界遺産です。
西暦3世紀末に築かれたこの宮殿は、軍事要塞・皇帝の邸宅・宗教施設を兼ね備えた複合建築であり、古代ローマ建築の傑作とされています。
**1979年にユネスコ世界遺産(文化遺産)**に登録されました。
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ペリスティル(中庭広場) |
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建設時期:西暦295年〜305年頃
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建設者:ローマ皇帝ディオクレティアヌス(在位284〜305年)
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目的:退位後の隠居用宮殿として、アドリア海沿岸に建設。
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中世以降:周辺住民が宮殿内に住み着き、宮殿が都市へと変貌。現在のスプリト旧市街の中心となっている。
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大聖堂(旧霊廟) |
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宮殿の構造
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縦・横およそ215メートルの長方形の要塞風建築。
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城壁・塔・門・中庭・神殿・浴場・皇帝の居室などが整然と配置されている。
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宮殿というより、ひとつの城塞都市のような構造。
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ペリスティル(中庭広場)
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宮殿の中心部に位置する荘厳な列柱に囲まれた中庭。
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現在も演奏会や舞台が行われる市民の広場。
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大聖堂(旧霊廟)
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ディオクレティアヌスの霊廟が後に**キリスト教の大聖堂(聖ドムニウス大聖堂)**に転用された。
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現存する最古のカトリック大聖堂建築の一つ。
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スフィンクス像とエジプトとの関係
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ディオクレティアヌスはエジプトからスフィンクス像を持ち込み、宮殿の装飾に使用。
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現在も大聖堂前に古代エジプトのスフィンクスが残っている。
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宮殿地下室(地下回廊)
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保存状態が非常に良く、当時の建築技術を学ぶうえでも貴重な資料。
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現在は観光地やイベント会場、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のロケ地にも使用。
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スフィンクス像 |
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古代ローマ末期の建築様式と都市計画の完成形
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皇帝の私的宮殿がそのまま市街地として受け継がれた稀有な例
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ローマ、ビザンティン、中世、バロック、現代が重なった“生きた都市遺産”
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都市構造と建物の多層的変遷が視覚的に体験できる貴重な場所
現在の姿と観光
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宮殿の壁内には今も人々が暮らし、商店やカフェが軒を連ねる生活空間。
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世界中から観光客が訪れ、スプリトの歴史・文化・芸術の中心地として活気がある。
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観光スポット:ペリスティル広場、鐘楼、地下室、市場、城壁など。
アクセス
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所在地:クロアチア・スプリト市(アドリア海沿岸)
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アクセス:スプリト空港から市街地までバスで約30分、アドリア海クルーズでも訪問可能
まとめ
ディオクレティアヌス宮殿は、古代ローマ皇帝の威厳と、2000年にわたる人々の暮らしが重なり合う「生きた遺産都市」です。
古代の石造建築を歩きながら、現代のカフェや音楽が響く空間は、まさに過去と現在が共存する奇跡の都市空間。
建築・歴史・文化の融合を体感できる、クロアチア必見の世界遺産です。
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