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コトルの自然と文化歴史地域 (Natural and Culturo-Historical Region of Kotor) |
コトルの自然と文化歴史地域は、モンテネグロ共和国のアドリア海沿岸に位置する、壮大な自然景観と中世都市コトルを中心とする歴史遺産の複合世界遺産です。
海と山が織りなす美しい地形と、ローマ、ビザンティン、ヴェネツィア、オーストリアなど多様な支配を受けて形成された文化遺産が高く評価され、**1979年にユネスコ世界遺産(文化遺産+自然遺産)**に登録されました。
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コトル旧市街(Kotor Old Town) |
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古代ローマ時代:この地域は商業港として栄えた。
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中世:ビザンティン帝国、セルビア王国、ヴェネツィア共和国などにより支配され、要塞都市として発展。
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15世紀〜18世紀:ヴェネツィア共和国時代に城壁や都市整備が進み、アドリア海沿岸でも屈指の堅固な港町となる。
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1979年:大地震によって被害を受けたが、国際的支援を受けて修復が進められ、今日の姿に。
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聖トリフォン大聖堂 |
特徴と見どころ
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コトル旧市街(Kotor Old Town)
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石畳の路地と迷路のような町並みが特徴。
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ゴシック様式、ロマネスク様式、バロック様式の教会や邸宅が立ち並ぶ。
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代表的な建築:
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聖トリフォン大聖堂(1166年完成)
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聖ルカ教会(1195年建立)
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時計塔(17世紀)
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コトルの城壁(City Walls of Kotor)
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海抜約260mの山肌を這い上がるように築かれた防衛用の石壁(全長約4.5km)。
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頂上にある**聖ジョヴァンニ要塞(San Giovanni Fortress)**まで登れば、コトル湾と旧市街を一望できる絶景スポット。
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コトル湾(Boka Kotorska)
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深く入り組んだ湾は、ヨーロッパ最南端のフィヨルド状地形とも称される。
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壮麗な自然景観と人間の営みが調和する絶景。
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ペラストと人工島
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コトル湾周辺には**ペラスト(Perast)**など小さな美しい町も点在。
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**「岩礁の聖母教会(Our Lady of the Rocks)」**という人工島の聖堂も有名。
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コトルの城壁(City Walls of Kotor) |
世界遺産としての価値
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人間の文化と自然景観が融合した稀有な例。
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中世以来の防衛都市、海洋交易、宗教文化の発展を示す都市遺産。
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地形と人間活動が調和した「文化的景観」の典型例。
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長い歴史を通じて、多様な文化が融合した独特の町並みと伝統
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聖ジョヴァンニ要塞(San Giovanni Fortress) |
現在の状況と観光
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観光客に非常に人気があり、特に夏季はクルーズ船での来訪者が多い。
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旧市街内は徒歩で散策するのが基本で、路地裏探検や教会巡りが楽しめる。
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登山道を利用して聖ジョヴァンニ要塞へ登るハイキングも人気。
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地元の食文化(シーフード、ワイン)も魅力のひとつ。
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コトル湾(Boka Kotorska) |
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所在地:モンテネグロ・コトル市とその周辺
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最寄り空港:ティヴァト空港(Tivat Airport、車で約15分)
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またはポドゴリツァ空港やドゥブロヴニク(クロアチア)からもアクセス可能
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岩礁の聖母教会(Our Lady of the Rocks) |
まとめ
**コトルの自然と文化歴史地域は、アドリア海沿岸に広がる自然の壮麗さと、中世以来の都市文化が見事に調和した「生きた世界遺産」です。
海と山に抱かれた美しい城塞都市は、訪れる人々に「時が止まったかのような感動」**を与えてくれる、モンテネグロの誇りといえる場所です。
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