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コロンス島(鼓浪嶼 / Kulangsu: A Historic International Settlement) |
コロンス島(鼓浪嶼 / Kulangsu)は、中国福建省厦門(アモイ)市の沖合に浮かぶ小さな島で、19世紀中頃から20世紀初頭にかけて発展した国際的な居留地としての歴史と独自の文化景観が評価されています。
アジアと西洋文化の融合を示す都市構造と建築群が残り、**2017年にユネスコ世界遺産(文化遺産)**に登録されました。
歴史的背景
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1842年、アヘン戦争後の南京条約によって厦門が開港され、コロンス島は外国人居留地となる。
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19世紀後半〜20世紀初頭:西欧、アメリカ、日本、東南アジアからの外交官、商人、宣教師たちが居住。
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多文化が融合した結果、「国際共同体」として発展し、教育、医療、宗教施設、近代建築が次々と建設された。
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独特な建築様式
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中華風、西洋風、南洋風の建築要素が混ざり合った「アモイ・デコ(Amoy Deco)」様式が特徴。
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コロンス島独自の洗練された住宅や公共建築が多く残る。
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主な建築例:
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八卦楼(Bagua Mansion)
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黄榕树别墅(黄バニアン邸)
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キリスト教会や各国領事館跡
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文化と芸術の島
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「ピアノの島」とも呼ばれ、音楽文化が非常に盛ん。
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中国初の音楽学校の一つが設立され、現在も音楽祭やコンサートが頻繁に開かれている。
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車両禁止の島
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島内は車の乗り入れが禁止され、徒歩か電動カートのみ。
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石畳の小道や、緑豊かな庭園が点在し、のんびりとした島時間が流れる。
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近代国際都市の形成過程を示す、極めて希少な事例。
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異文化の建築的融合が自然な形で展開された都市空間。
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平和的共存と国際交流の精神を象徴する場所。
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中国南部と世界を結んだ近代史の生きた証人。
現在の状況と観光
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コロンス島は人気の観光地で、歴史的建物、博物館、音楽イベント、海辺のカフェなどを楽しめる。
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観光客向けにガイドツアー、ピアノ博物館、海洋博物館なども整備されている。
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混雑緩和のため、1日の入島人数に制限が設けられている。
アクセス
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所在地:中国・福建省厦門市沖
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アクセス:厦門本土からフェリーで約5分~10分
まとめ
コロンス島は、19〜20世紀に築かれた「東洋と西洋が調和した小さな国際都市」です。
その美しい街並みと穏やかな時間の流れは、近代世界史の交差点に立っていたことを物語り、今も訪れる人々に異国情緒と文化の香りを届けています。
歴史、建築、音楽、自然のすべてを楽しめる、魅力あふれる世界遺産です。
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