2025年6月20日金曜日

ジャームのミナレット - アフガニスタンの古い塔

 

ジャームのミナレットって何?

ジャームのミナレットは、アフガニスタンという国にある、とても古くて高い塔です。

  • 高さ:約65メートル(マンションの20階建てくらい!)
  • 作られた時期:今から約850年前(1174年〜1202年頃)
  • 材料:焼いたレンガで作られています

どうして作られたの?

昔、この場所には「ゴール朝」という王様の国がありました。この塔は、その王様が「私たちの国はすごいんだぞ!」ということを周りの人に見せるために作ったと考えられています。


塔の特徴

1. とても美しい模様

  • 塔の表面には、幾何学模様という美しい形の模様がたくさん刻まれています
  • アラビア語の文字も美しく書かれています
  • まるで芸術作品のようです!

2. すごい技術

  • 850年前に、こんなに高い建物を作るのはとても難しいことでした
  • 地震があっても倒れないように、しっかりと作られています

3. 不思議な場所

  • 山の中の川のそばに建っています
  • なぜこんな人里離れた場所に作ったのかは、今でも謎です

世界遺産になったけど...

2002年に、この塔は世界遺産に選ばれました。世界遺産とは、「世界中の人が大切にしなければいけない宝物」のことです。

でも、困ったことがあります:

  • 雨や風で少しずつ壊れている
  • 洪水で塔の下が削られている
  • 戦争があって、修理するのが難しい
  • 危険なので、観光客は行くことができない

そのため、「危機遺産」というリストにも入っています。これは「このままだと壊れてしまうかもしれない遺産」という意味です。


なぜ大切なの?

この塔は:

  • 昔の人の技術がどれだけすごかったかを教えてくれる
  • イスラム教の美しい芸術を見ることができる
  • 歴史を勉強するのに大切な資料

まとめ

ジャームのミナレットは、昔の人が作った素晴らしい建物です。でも、自然災害や戦争で壊れる危険があります。世界中の人が協力して、この大切な宝物を守っていく必要があります。

みんなも、こうした世界の宝物に興味を持って、大切にする気持ちを持ってくださいね!

Tweed Tunnels(トウィード・トンネル): ニューヨークの廃墟シリーズ

 ハドソンバレー沿いにあるClausland Mountainにとある建造物があるという情報を耳にして、登山をほぼしない私が「ちょっくら行ってみるか」と軽い気持ちで山に向かいました。

あまり使われていないようなトレイルの入り口

入口付近はまだ寂れた感じのトレイルのようだ

ところが、いざ着いてみると、その山のハイキングトレイルはすでに閉鎖済み。しかも例の建造物はそのトレイルから外れた奥地にあるらしい。。。仕方なく、かすかに残る獣道を頼りに検索スタート。

倒れた木が獣道の行く手を阻む

徐々に獣道も薄れていくようなエリアを進む

木々に囲まれた獣道を進んで行くことに。。。

でも正直、ナメてました。水も食料も持たず、携帯も圏外。そんな状態で2時間以上、山の中をさまよい続け、汗だく、ヘトヘト、ほぼ迷子。もう諦めて帰ろうかと下山を考えたその時ーーーー


明らかに人工的に加工され、つまれている石


倒れた木の横に謎の人工的なモノを発見

何か分からないが、あきらかに最近使われてた


謎のタイヤが木にかけられていた

目の前に突如現れた、人工的な構造物の数々!「もしかして近いかも?!」と最後の気力を振り絞り、あたりを探し回ったら。。。

ついに例の建造物を発見!!


要塞化された後が見られるTweed Tunnels

Tweed Tunnels

ハドソンバレー沿い、深い森におおわれたClausland Mountainの奥地に、人知れず存在する「Tweed Tunnels」。この地は第一次世界大戦中、アメリカ軍がヨーロッパ戦線での塹壕戦に備えた極秘の訓練場として築かれた。地中に張り巡らされた迷路のようなトンネル、苔むした塹壕、崩れかけた射撃台、そしてひんやりとした地下壕ーー100年以上の時を経た今も、そのままの姿で静かに残されている。

塹壕戦を想定して作られた要塞化されている壁


武器は弾薬の保管庫として利用された、バンカー


一面の要塞を大きく囲むように作られた壁


木の幹に侵食されているトンネルへの入り口


トンネルはいくつかの場所で崩れているのが見れる


射撃の練習台として使われたであろう、発射台の数々

だが、この場所はわずか3年で閉鎖された後、決して再利用されることはなかった。やがて若者たちがスリルを求めて集う場所となり、壁一面に落書きが広がったが、次第にこの地はただの廃墟ではなくなっていた。

さらに続く塹壕を想定されて作られた壁


塹壕の壁の上からみた、バンカー


地下壕のトンネルが通っている場所も発見


トンネルが崩れ、トンネル内がむき出しになっている個所もある


木々の侵食で隠されている、バンカー


現在はバンカーの中に入ることも可能

バンカー内は多くの落書きがあるものの、特に汚されているような感じはなかった


いつしか、「死」がこの地に巣を作った。ギャングが痛いを隠す場所として選び、不可解な殺人や自殺が後を絶たず。そしてついには「Omega Men」と呼ばれるカルト集団の儀式の場と化した。うわべは静寂に包まれているが、地下にはいまもなにかが蠢いているような、異様な気配が漂っている。


壁の下をくぐり抜けると小さな塹壕が見られた


武器と弾薬を保管されてたと思われる小さめのバンカー


大きな壁の塹壕に隣接しているのが分かる


何かの儀式に使われていたと思われる場所


塹壕の壁を一番最後には一番大きいバンカーがある


中は二階建てになっているが、すでに崩れて危険なため外からの撮影のみ


かつて、戦地に送られる兵士たちが恐怖とともに訓練を重ねたこの地には、その時に染みついた絶望と苦悩の記憶が今も渦巻いているのかもしれない。100年の時を超えてもなお、「Tweed Tunnels」は呪われた場所として人々を引き寄せ、そして拒絶している。有機を持たぬ者が近づくべきではないーー。


2025年4月28日月曜日

絵で見る「世界遺産」:慶州歴史地域(Gyeongju Historic Areas)ー 韓国

Woljeonggyo Bridge

**慶州(Gyeongju)**は、韓国・慶尚北道に位置する古代新羅王国(紀元前57年~935年)の首都だった都市で、

**韓国の「屋根のない博物館」**とも呼ばれるほど、都市全体が歴史遺産に溢れています。
2000年に、**慶州歴史地域(Gyeongju Historic Areas)としてユネスコ世界遺産(文化遺産)**に登録されました。


南山地区(Namsan Belt)

歴史的背景
  • 新羅王国:紀元前57年に建国され、668年に朝鮮半島を統一、935年に滅亡するまで約千年の長い歴史を持つ。

  • 慶州はその首都として栄え、政治・文化・宗教(特に仏教)の中心地だった。

  • 新羅の影響は現在の韓国文化や仏教美術にも大きな影響を与えている。


瞻星台(チョムソンデ)

主な構成遺産と見どころ

  1. 南山地区(Namsan Belt)

    • 仏教彫刻や寺院跡、石塔、仏像が山全体に点在。

    • 南山は山そのものが仏教の世界」とも言われる。

  2. 月城地区(Wolseong Belt)

    • 新羅王宮(月城)があった場所。

    • 世界最古の現存天文台**瞻星台(チョムソンデ)**もこのエリアにある。

  3. 皇龍寺地区(Hwangnyongsa Belt)

    • 新羅最大級の仏教寺院・皇龍寺跡があり、かつては九重塔が建っていた。

    • 近くにある仏国寺も新羅仏教文化を代表する重要寺院(※別途世界遺産登録)。

  4. 大陵苑地区(Daereungwon Belt)

    • **古墳群(王族の墓)**が広がるエリア。

    • 特に「天馬塚」は内部見学ができ、出土した豪華な金製品が展示されている。

  5. 芝岩地区(Hwangnyongsa Belt内に隣接)

    • 重要な仏教遺跡が集中するエリア。

    • 特に美しい石仏が多く残されている。


大陵苑地区(Daereungwon Belt)

世界遺産としての価値
  • 東アジア古代国家における仏教文化と政治権力の結びつきを示す貴重な遺跡群

  • 1000年にわたる新羅の歴史と、その独自の芸術・建築・都市計画の痕跡

  • 自然景観と一体化した信仰空間(特に南山地区)が独自性を持つ


Anapji Pond

現在の状況と観光

  • 慶州は観光地としても人気が高く、遺跡散策と自然観光を同時に楽しめる。

  • 市内にはレンタサイクルもあり、自転車で遺跡巡りができる。

  • 春の桜、秋の紅葉など、四季折々の美しさも魅力。


Donggung Palace

アクセス

  • 所在地:韓国・慶尚北道慶州市

  • 最寄り都市:釜山(プサン)から高速鉄道(KTX)で約30分、ソウルからも新幹線で約2時間


Bulguksa Temple
まとめ

慶州は、韓国古代史の心臓部であり、新羅千年の栄光を今に伝える歴史の宝庫です。
石仏、古墳、寺院、天文台、すべてが自然と調和しながら静かに歴史を語りかけてくる場所
韓国文化の源流を深く知ることができる、必見の世界遺産です。


絵で見る「世界遺産」:コロンス島(鼓浪嶼 / Kulangsu: A Historic International Settlement)ー 中国

コロンス島(鼓浪嶼 / Kulangsu: A Historic International Settlement)

コロンス島(鼓浪嶼 / Kulangsu)は、中国福建省厦門(アモイ)市の沖合に浮かぶ小さな島で、19世紀中頃から20世紀初頭にかけて発展した国際的な居留地としての歴史と独自の文化景観が評価されています。

アジアと西洋文化の融合を示す都市構造と建築群が残り、**2017年にユネスコ世界遺産(文化遺産)**に登録されました。


歴史的背景

  • 1842年、アヘン戦争後の南京条約によって厦門が開港され、コロンス島は外国人居留地となる。

  • 19世紀後半〜20世紀初頭:西欧、アメリカ、日本、東南アジアからの外交官、商人、宣教師たちが居住。

  • 多文化が融合した結果、「国際共同体」として発展し、教育、医療、宗教施設、近代建築が次々と建設された。


  • 八卦楼(Bagua Mansion)

特徴と文化的景観
  1. 独特な建築様式

    • 中華風、西洋風、南洋風の建築要素が混ざり合った「アモイ・デコ(Amoy Deco)」様式が特徴。

    • コロンス島独自の洗練された住宅や公共建築が多く残る。

    • 主な建築例:

      • 八卦楼(Bagua Mansion)

      • 黄榕树别墅(黄バニアン邸)

      • キリスト教会や各国領事館跡

  2. 文化と芸術の島

    • ピアノの島」とも呼ばれ、音楽文化が非常に盛ん

    • 中国初の音楽学校の一つが設立され、現在も音楽祭やコンサートが頻繁に開かれている。

  3. 車両禁止の島

    • 島内は車の乗り入れが禁止され、徒歩か電動カートのみ。

    • 石畳の小道や、緑豊かな庭園が点在し、のんびりとした島時間が流れる。


  • 黄榕树别墅(黄バニアン邸)

世界遺産としての価値
  • 近代国際都市の形成過程を示す、極めて希少な事例

  • 異文化の建築的融合が自然な形で展開された都市空間

  • 平和的共存と国際交流の精神を象徴する場所

  • 中国南部と世界を結んだ近代史の生きた証人


現在の状況と観光

  • コロンス島は人気の観光地で、歴史的建物、博物館、音楽イベント、海辺のカフェなどを楽しめる。

  • 観光客向けにガイドツアー、ピアノ博物館、海洋博物館なども整備されている。

  • 混雑緩和のため、1日の入島人数に制限が設けられている。


アクセス

  • 所在地:中国・福建省厦門市沖

  • アクセス:厦門本土からフェリーで約5分~10分


まとめ

コロンス島は、19〜20世紀に築かれた「東洋と西洋が調和した小さな国際都市」です。
その美しい街並みと穏やかな時間の流れは、近代世界史の交差点に立っていたことを物語り、今も訪れる人々に
異国情緒と文化の香り
を届けています。
歴史、建築、音楽、自然のすべてを楽しめる、魅力あふれる世界遺産です。


絵で見る「世界遺産」:グレート・スモーキー山脈国立公園 (Great Smoky Mountains National Park)ー アメリカ合衆国

グレート・スモーキー山脈国立公園 (Great Smoky Mountains National Park)

グレート・スモーキー山脈国立公園(Great Smoky Mountains National Park)は、アメリカ合衆国のテネシー州とノースカロライナ州の州境に広がる広大な自然保護区です。
アパラチア山脈の一部であり、
「スモーキー」と呼ばれる霧に包まれた神秘的な山々、豊かな生態系、文化的遺産が特徴
です。
**1983年にユネスコ世界遺産(自然遺産)**に登録されました。



特徴と自然環境

  • 総面積:約2,110平方キロメートル(東京23区の約3倍)

  • 標高差:約260m〜2,025m(クリングマンズ・ドームが最高地点)

  • 「スモーキー」とは:樹木や植物から発生する微粒子(揮発性有機化合物)が太陽光に反応し、**青みがかった霞(もや)**を生み出す現象。


クレイマーズ・ドーム展望台

生態系と自然の魅力

  • 世界有数の生物多様性を誇る。

    • 130種以上の樹木、1,500種以上の開花植物。

    • クマ(ブラックベア)、ホワイトテールジカ、七面鳥、サンショウウオなど、多様な動物たちが生息。

  • 温帯広葉樹林の原生林が広がり、**氷河期の生態系を今に残す「生きた博物館」**と呼ばれる。

  • 春は野生の花の宝庫、秋は紅葉の名所として特に人気。


アパラチアントレイル

歴史・文化的背景

  • 先住民(特にチェロキー族)の伝統的な居住地だった。

  • 19世紀にはヨーロッパ系入植者が農業や製材業を営んだ。

  • 公園内には、歴史的な農家、小屋、教会、学校などが保存されており、19世紀の開拓者の暮らしを今に伝える

  • 1934年にアメリカ政府と市民の寄付によって国立公園として正式に設立。


ラレル滝トレイル

観光と体験

  • ハイキングコースは約1,300km(800マイル)以上!

    • 人気ルート:クレイマーズ・ドーム展望台アパラチアントレイルラレル滝トレイルなど。

  • 景勝道路

    • ニューファウンド・ギャップ・ロードケーズ・コーブ(Cades Cove)ループなど、ドライブで絶景を楽しめる。

  • 野生動物ウォッチング釣り、乗馬、キャンプも盛ん。

  • 季節イベント:春の花祭り(Spring Wildflower Pilgrimage)秋の紅葉シーズンは特に人気。


ニューファウンド・ギャップ・ロード

世界遺産としての価値

  • 氷河期以降の自然環境をほぼ手つかずで保存していること。

  • 北米でもっとも広大な原生温帯林のひとつ

  • 生態系の多様性と自然の進化過程を示す貴重な自然遺産

  • 文化的にも、先住民と移民開拓者の歴史を今に伝える重要な場所


ケーズ・コーブ(Cades Cove)
アクセス
  • 所在地:アメリカ・テネシー州とノースカロライナ州の州境

  • 主な玄関口:ガトリンバーグ(Gatlinburg, TN)、チェロキー(Cherokee, NC)

  • 近隣都市からのアクセス:ノックスビル(Knoxville)やアッシュビル(Asheville)から車で約1〜2時間


春の花祭り(Spring Wildflower Pilgrimage)

まとめ

グレート・スモーキー山脈国立公園は、太古の自然と人類の歴史が静かに息づく、北米屈指の大自然の聖地です。
その神秘的な霧景色、色とりどりの花々、豊かな生態系、そして文化遺産は、四季折々に異なる表情を見せ、訪れる人に自然の偉大さと歴史の深さを体感させてくれます。
アメリカ国内で最も訪問者数が多い国立公園の一つであり、誰もが心を打たれる世界遺産です。