2025年9月12日金曜日

絵で見る「世界遺産」カステル・デル・モンテ(Castel del Monte)ー イタリア

カステル・デル・モンテ(Castel del Monte)

 世界遺産「カステル・デル・モンテ(Castel del Monte)」は、イタリア南部プッリャ州アンドリア近郊に位置する、中世の謎めいた城で、1996年にユネスコ世界遺産に登録されました。


基本情報

  • 登録名:Castel del Monte

  • 登録年:1996年

  • 所在国:イタリア

  • 分類:文化遺産

  • 所在地:アンドリア近郊(プッリャ州)


歴史的背景

カステル・デル・モンテは、神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世によって、1240年頃に建設が始まったとされています。しかし、この城は戦闘用の要塞とは異なり、堀や兵舎、台所がないことから、「象徴的」「天文学的な目的」「学術的な館」など多様な用途が推測されています。


八角形の平面設計

建築的特徴

  • 八角形の平面設計:中央の八角形の中庭を囲むように、八つの八角形の塔が配置されています。

  • 精密な幾何学構造:数学・天文学的知識に基づいて設計されたとも言われており、太陽光の入り方も計算された構造です。

  • ロマネスク、ゴシック、イスラム、古代ローマの要素を融合:文化的な多様性を感じさせる建築様式。


世界遺産としての価値

ユネスコは以下の点を評価して世界遺産に登録しました:

  • 独創的で完璧な幾何学的デザイン

  • 文化・建築の融合(西洋と東洋の思想の統合)

  • 歴史的、象徴的価値(神秘性が強く、多様な解釈を呼ぶ構造)





謎に満ちた城

カステル・デル・モンテにはいまだ多くの謎があります。以下のような説が議論されています:

  • 神聖ローマ皇帝の「知の館」説

  • 太陽や季節の移り変わりを観測する天文台説

  • 象徴主義に満ちた「精神の要塞」説


八角形の中庭

観光情報(参考)

  • 最寄り都市:アンドリア(Bariから車で1時間程度)

  • 見どころ:八角形の中庭、大理石の装飾、城からのパノラマビュー

  • 備考:現在は博物館・観光地として整備されており、内部を自由に見学できます。



まとめ

カステル・デル・モンテは、軍事施設とも居城とも異なる独自の設計により、中世建築の中でも特異な存在です。その完璧な幾何学性と神秘性は、現代でも多くの人々を魅了し、学術的にも観光的にも価値の高い世界遺産です。



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