Friday, September 12, 2025

絵で見る「世界遺産」カステル・デル・モンテ(Castel del Monte)ー イタリア UNESCO 398 Castel del Monte




カステル・デル・モンテ(Castel del Monte)

 世界遺産「カステル・デル・モンテ(Castel del Monte)」は、イタリア南部プッリャ州アンドリア近郊に位置する、中世の謎めいた城で、1996年にユネスコ世界遺産に登録されました。


基本情報

  • 登録名:Castel del Monte

  • 登録年:1996年

  • 所在国:イタリア

  • 分類:文化遺産

  • 所在地:アンドリア近郊(プッリャ州)


歴史的背景

カステル・デル・モンテは、神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世によって、1240年頃に建設が始まったとされています。しかし、この城は戦闘用の要塞とは異なり、堀や兵舎、台所がないことから、「象徴的」「天文学的な目的」「学術的な館」など多様な用途が推測されています。


八角形の平面設計

建築的特徴

  • 八角形の平面設計:中央の八角形の中庭を囲むように、八つの八角形の塔が配置されています。

  • 精密な幾何学構造:数学・天文学的知識に基づいて設計されたとも言われており、太陽光の入り方も計算された構造です。

  • ロマネスク、ゴシック、イスラム、古代ローマの要素を融合:文化的な多様性を感じさせる建築様式。


世界遺産としての価値

ユネスコは以下の点を評価して世界遺産に登録しました:

  • 独創的で完璧な幾何学的デザイン

  • 文化・建築の融合(西洋と東洋の思想の統合)

  • 歴史的、象徴的価値(神秘性が強く、多様な解釈を呼ぶ構造)





謎に満ちた城

カステル・デル・モンテにはいまだ多くの謎があります。以下のような説が議論されています:

  • 神聖ローマ皇帝の「知の館」説

  • 太陽や季節の移り変わりを観測する天文台説

  • 象徴主義に満ちた「精神の要塞」説


八角形の中庭

観光情報(参考)

  • 最寄り都市:アンドリア(Bariから車で1時間程度)

  • 見どころ:八角形の中庭、大理石の装飾、城からのパノラマビュー

  • 備考:現在は博物館・観光地として整備されており、内部を自由に見学できます。



まとめ

カステル・デル・モンテは、軍事施設とも居城とも異なる独自の設計により、中世建築の中でも特異な存在です。その完璧な幾何学性と神秘性は、現代でも多くの人々を魅了し、学術的にも観光的にも価値の高い世界遺産です。



Wednesday, August 27, 2025

NYで「廃」 Randall's Island Golf Center ランドルズアイランド・ゴルフ練習場




ニューヨーク市におけるリクリエーションの象徴とも言える「Randall's Island Golf Center(ランドールズ・アイランド・ゴルフセンター)」は、1993年にAmerican Golf Corporationによってオープンしました。これは、ランドールズ島をスポーツとレジャーの拠点として活性化させる大きな計画の一環でした。

オープン当初、この施設にはゴルフ練習場をはじめ、プロショップ、バッティングセンター、そしてミニチュアゴルフコースまで整備され、幅広い世代に親しまれる複合的なスポーツ施設として人気を集めました。

その後2008年には、経営難に陥った運営をNorth Shore Golf Groupが引き継ぎ、約50万ドルを投じた大規模改修を実施。クラブハウスのリニューアル、暖房付き打席の導入、そしてスタジアム仕様の照明設備による夜間利用の拡充などが行われ、施設は再び輝きを取り戻しました。

さらに2018年、ニューヨーク市当局はDrive Shack Incに再建計画を発注。既存のゴルフセンターを取り壊し、複数階建ての娯楽・リクリエーション複合施設として再生するという壮大なプロジェクトが打ち出されました。期待は大きく膨らみましたが、その後の展開は誰もが予想しなかった方向へと進んでいきます。


時が止まったゴルフセンター ― 廃墟と化した現在の姿


2018年の閉鎖を境に、Randall's Island Golf Centerはまるで時計の針が止まったかのような状態に置かれています。再建プロジェクトは設計段階で停滞し、さらに2020年のパンデミックによって建設業界全体が大きな打撃を受けたことで計画は大幅に遅延。2023年夏の着工予定も実現せず、2025年現在も再開発の具体的なスケジュールは明らかになっていません。


かつて賑わいを見せたゴルフ打席やクラブハウスは、今では荒れ果てたまま放置され、草木が侵入し始めています。風に揺れるフェンスの軋む音や、割れたガラス越しに差し込む光は、まるで廃墟探訪をしているかのような異様な雰囲気を漂わせています。


この静けさは、かつての賑わいを知る人々にとっては強烈なコントラストとなり、都市再開発の光と影を象徴する光景といえるでしょう。ニューヨークのど真ん中にありながら、取り残されたような「空白の時間」。それが今のRandall's Island Golf Centerです。


ギャラリー


ゴルフの練習台が置かれていたところ

未だに放置されている、ゴルフ練習台

練習台から見た風景

ゴルフ練習場のクラブハウス


かつてにぎわいを見せていた、バーカウンター

野球のバッティングセンターを放置された状態

ゴルフ練習台の入り口

2階練習場へとつなぐ階段

2階の練習場


2階の練習台からみた風景

Friday, June 20, 2025

Tweed Tunnels(トウィード・トンネル): ニューヨークの廃墟シリーズ

 ハドソンバレー沿いにあるClausland Mountainにとある建造物があるという情報を耳にして、登山をほぼしない私が「ちょっくら行ってみるか」と軽い気持ちで山に向かいました。

あまり使われていないようなトレイルの入り口

入口付近はまだ寂れた感じのトレイルのようだ

ところが、いざ着いてみると、その山のハイキングトレイルはすでに閉鎖済み。しかも例の建造物はそのトレイルから外れた奥地にあるらしい。。。仕方なく、かすかに残る獣道を頼りに検索スタート。

倒れた木が獣道の行く手を阻む

徐々に獣道も薄れていくようなエリアを進む

木々に囲まれた獣道を進んで行くことに。。。

でも正直、ナメてました。水も食料も持たず、携帯も圏外。そんな状態で2時間以上、山の中をさまよい続け、汗だく、ヘトヘト、ほぼ迷子。もう諦めて帰ろうかと下山を考えたその時ーーーー


明らかに人工的に加工され、つまれている石


倒れた木の横に謎の人工的なモノを発見

何か分からないが、あきらかに最近使われてた


謎のタイヤが木にかけられていた

目の前に突如現れた、人工的な構造物の数々!「もしかして近いかも?!」と最後の気力を振り絞り、あたりを探し回ったら。。。

ついに例の建造物を発見!!


要塞化された後が見られるTweed Tunnels

Tweed Tunnels

ハドソンバレー沿い、深い森におおわれたClausland Mountainの奥地に、人知れず存在する「Tweed Tunnels」。この地は第一次世界大戦中、アメリカ軍がヨーロッパ戦線での塹壕戦に備えた極秘の訓練場として築かれた。地中に張り巡らされた迷路のようなトンネル、苔むした塹壕、崩れかけた射撃台、そしてひんやりとした地下壕ーー100年以上の時を経た今も、そのままの姿で静かに残されている。

塹壕戦を想定して作られた要塞化されている壁


武器は弾薬の保管庫として利用された、バンカー


一面の要塞を大きく囲むように作られた壁


木の幹に侵食されているトンネルへの入り口


トンネルはいくつかの場所で崩れているのが見れる


射撃の練習台として使われたであろう、発射台の数々

だが、この場所はわずか3年で閉鎖された後、決して再利用されることはなかった。やがて若者たちがスリルを求めて集う場所となり、壁一面に落書きが広がったが、次第にこの地はただの廃墟ではなくなっていた。

さらに続く塹壕を想定されて作られた壁


塹壕の壁の上からみた、バンカー


地下壕のトンネルが通っている場所も発見


トンネルが崩れ、トンネル内がむき出しになっている個所もある


木々の侵食で隠されている、バンカー


現在はバンカーの中に入ることも可能

バンカー内は多くの落書きがあるものの、特に汚されているような感じはなかった


いつしか、「死」がこの地に巣を作った。ギャングが痛いを隠す場所として選び、不可解な殺人や自殺が後を絶たず。そしてついには「Omega Men」と呼ばれるカルト集団の儀式の場と化した。うわべは静寂に包まれているが、地下にはいまもなにかが蠢いているような、異様な気配が漂っている。


壁の下をくぐり抜けると小さな塹壕が見られた


武器と弾薬を保管されてたと思われる小さめのバンカー


大きな壁の塹壕に隣接しているのが分かる


何かの儀式に使われていたと思われる場所


塹壕の壁を一番最後には一番大きいバンカーがある


中は二階建てになっているが、すでに崩れて危険なため外からの撮影のみ


かつて、戦地に送られる兵士たちが恐怖とともに訓練を重ねたこの地には、その時に染みついた絶望と苦悩の記憶が今も渦巻いているのかもしれない。100年の時を超えてもなお、「Tweed Tunnels」は呪われた場所として人々を引き寄せ、そして拒絶している。有機を持たぬ者が近づくべきではないーー。