New York・QueensのRego Parkで、長年にわたり地域住民の買い物を支えてきたショッピング施設「Rego Center」。正式にはRego Park I、またはRego Center Phase Iと呼ばれる建物で、Queens BoulevardとJunction Boulevardが交わる交通の便利な場所にありました。
この建物の歴史は1959年にさかのぼります。かつてはニューヨークを代表する老舗デパート「Alexander’s」のQueens店として営業し、Rego Park周辺だけでなく、Forest HillsやElmhurstなどからも多くの買い物客が訪れる地域のランドマークでした。
Alexander’sが1992年に営業を終了した後は、Searsをはじめ、Marshalls、Burlington、Old Navy、Bed Bath & Beyondなど、さまざまな大型チェーン店が入る総合ショッピングセンターへと姿を変えました。衣料品や家具、生活用品まで一度にそろう便利な施設として、何世代ものQueens住民に親しまれてきました。
しかし、アメリカの小売業界を取り巻く環境が変化するなか、館内の店舗は少しずつ姿を消していきます。Searsは2017年に閉店し、Bed Bath & Beyondも経営破綻に伴って2023年に営業を終了。Old Navyは2024年に撤退しました。その後も、MarshallsやBurlingtonなどの主要店舗が、道路を挟んだ新館「Rego Park II」へ移転しました。
つまり、Rego Mallは一度に突然閉鎖されたのではありません。大型チェーン店の倒産や撤退、オンラインショッピングの普及、そして古い建物から新しい商業施設への店舗移転が重なり、館内が徐々に空になっていったのです。2025年秋までに最後の主要テナントが移転し、旧館は完全な空き物件となりました。
閉鎖された建物は、約33万8,000平方フィートの3階建てで、約1,236台を収容できる駐車場を備えています。2026年5月、所有会社のAlexander’sは、この旧Rego Mallを医療グループのNorthwell Healthへ2億3,550万ドルで売却しました。今後の具体的な利用方法はまだ詳しく発表されていませんが、長年のショッピング施設から、医療や地域サービスに関係する新たな拠点へ生まれ変わる可能性があります。
Alexander’s、Sears、Marshalls、Burlington――時代によって看板は変わっても、この場所は長い間、Rego Parkの暮らしの一部でした。週末に家族で買い物をした人、学校帰りに立ち寄った人、年末のセールを楽しみにしていた人。それぞれの記憶が残る建物だけに、灯りの消えた館内を見ると、ひとつの時代が終わったことを実感させられます。
一方、向かい側のRego Park IIには、Costco、Aldi、TJ Maxx、Best Buy、DSW、Marshalls、Burlingtonなどが集まり、Rego Centerとしてのショッピング機能は現在も続いています。旧Rego Mallの閉鎖は、Rego Center全体の終わりではなく、Rego Parkの街が次の時代へ進むための、大きな転換点といえるでしょう。

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