台湾滞在も7日目を迎え、現在台湾を通過している台風は、昨日でピークを越えたように感じられます。しかし、まだ雨風は収まっておらず、天気は厳しい状況が続いています。そんな悪天候だからこそ、「もしかしたら人気の観光地は空いているのではないか?」という逆転の発想がひらめきました。そこで急遽、大人気の観光地である「九份(きゅうふん)」と「十分(シーフェン)」へ向かうことを決定!しかし、予定通りにいかないのが旅の常。この厳しい天候の中、無事に目的地までたどり着けるのか?
まずは「淡水駅」からMRTレッドラインに乗って、「台北車站(Taipei Main Station)」まで向かいます。台北車站到着後は、駅から歩いてすぐのところにあるバス乗り場から、九份行きの「Taiwan Tourist Shuttle 965」に乗る予定です。
時間に余裕をもってバス停に到着したところ、バスの発車時刻までかなり時間があることに気づきました。そこで、バス停の目の前にあった「國立臺灣博物館 鐵道部園區(National Taiwan Museum, Railway Department Park)」を見学することに。ここは日本統治時代に建てられた歴史的な建造物などが保存されており、貴重な展示を見ながらバスを待つ時間を有効活用することができました。
國立臺灣博物館鐵道部園區
No. 2, Section 1, Yanping N Rd, Datong District, Taipei City, Taiwan 103
博物館の見学を終え、無事に965バスに乗り込むことができました。バスはそこから約1時間半をかけて、目的地である「九份」へ向かいます。道中、川を通りかかった際に車窓から外を見てみると、台風の影響で川の水かさが異常に増しており、今にもあふれそうなほどの勢いでした。改めて、今回の台風の影響の大きさと猛威を実感しました。
ついに、山の上にある「九份(きゅうふん)」に到着しました!九份はかなり高い山の上に位置しており、そこから見下ろす景色はまさに最高の一言です。眼下に広がる景色は圧巻でしたが、もし天候が良ければ、さらに素晴らしい絶景が楽しめたことでしょう。
いよいよ「九份老街(Jiufen Old Street)」の入口へ。有名なノスタルジックな雰囲気が漂うアーチをくぐり、九份の街中へと足を踏み入れます。雨の中でも活気あふれる老街の細い路地を本格的に探索開始です!
「九份老街(Jiufen Old Street)」は、車一台すら通れないほどの狭い道が特徴的です。その道沿いには、食べ物屋さんやお土産屋さんがずらりと並び、活気にあふれています。この悪天候にもかかわらず、多くの観光客で賑わっており、九份の人気の高さを実感できます。しかし、道は石が敷き詰められており、さらにかなりの坂道になっているため、雨で非常に滑りやすくなっています。転倒しないよう、十分に注意しながら歩く必要があります。
九份は現在、非常に賑わう観光地として知られていますが、その起源は石炭の採掘で栄えた鉱山町です。賑わう老街の観光の合間に、かつての九份の歴史を物語る鉱山の入り口(鉱山跡)も見てきました。この場所が、かつては金や石炭で活気のあった町だったことを肌で感じることができました。
鉱山の入り口の近くには、当時採掘された石炭を運ぶために作られたトンネルが残されていました。実際にそのトンネルを通ってみましたが、中は非常に狭く、暗闇に包まれていました。さらに、岩肌からは水がポタポタと落ちてくる状況で、今にも崩れてしまいそうな見た目に、思わず強い恐怖を感じました。
この炭鉱の入り口とトンネルは、九份の賑わっているエリアから少し距離があり、かなり歩いた場所に位置しています。そのため、老街のメインストリートから足を延ばしてこの辺りまで来る観光客は少なく、非常に落ち着いた雰囲気に包まれています。九份の喧騒から離れ、静かに歴史に思いを馳せることができる隠れた穴場スポットと言えるでしょう。
そういえば、「九份」に来たなら絶対に見ておきたい、「千と千尋の神隠し」のモデルとなったと噂される有名な「阿妹茶樓」を見ていないことに気がつきました!慌ててその辺りにいた日本人観光客に場所を尋ね、無事に茶樓へたどり着くことができました。これで「九份」での観光は悔いなく終わり、次の目標である「十分」へ向かおうとしました。……が、ここで思わぬ事態が発生します。
次の目的地「十分」へ向かうためバス停に到着し、運行スケジュールを調べてみたところ、衝撃の事実が判明しました。なんと、次のバスが来るまで1時間半も待たなければならないのです。バスが来ないことには身動きが取れません。そこで、この長い待ち時間を潰すために、急遽「九份老街」へもう一度逆戻りして観光をすることにしました。
待つこと1時間半、ようやくバスが到着しました!バスに乗り込み、九份の山を下りて、ふもとにある町「瑞芳(Ruifang)」で降車します。ここから電車に乗り換え、次の目的地である「十分(シーフェン)」を目指します。
「瑞芳(Ruifang)」駅に到着し、無事に平渓線と思われる電車に乗り込み、出発を待っていました。しかし、ふと目にした電車の行先表示が、目指す「十分」とは違うことに気づき、慌てて電車を飛び降りました。急いで駅員さんに「十分」への行き方を尋ねたところ、返ってきた答えは予想外のものでした。「電車では行けないので、バスに乗り換えてください」事前の情報源であるGoogle Mapが示すルートと、現場の駅員さんの指示が食い違い、大きな混乱が生じてしまいました。台風の影響で、電車が運休になっていたんですかね?
そしてバスのスケジュールを確認しましたが、そこで再び大きな壁に直面しました。次の十分行きのバスの発車は、なんと2時間半後。すでに日が暮れ始めている時間帯であり、この待ち時間では「十分老街」での観光は絶対に不可能だと悟りました。泣く泣く「十分」行きを諦め、急遽「瑞芳(Ruifang)」の町を見て回ることに。しかし、この瑞芳の町は、田舎町だからなのか、あるいは台風の影響なのかは分かりませんが、残念ながらあまり全く栄えていない様子でした。
観光地として栄えていない瑞芳の町ですが、幸いにも駅前に小規模な夜市を発見しました。とりあえずそこで腹ごしらえをすることに。食事をしながらスマートフォンで周辺を色々と調べていたところ、猫の村として有名な「猴硐(ホウトン)」がすぐ隣の町にあることが判明しました!十分への道が閉ざされた今、この予期せぬ発見を逃す手はありません。十分への道が閉ざされた今、この予期せぬ発見を逃す手はありません。急遽、次の目的地を「猴硐(ホウトン)」に変更し、猫の村へ向かうことを決めました!
今回は問題なく電車に乗車し、無事に「猴硐(ホウトン)」に到着することができました!急遽決まった目的地でしたが、猫好きな私にとっては、この猫の村はたまらないスポットであり、期待に胸を膨らませて村の探索に向かいます。
猫の村「猴硐(ホウトン)」に到着し、期待に胸を膨らませて降り立った瞬間、私たちは着いてびっくりしました。村全体が真っ暗で、人影が全く見当たらないのです。「えええ?まだ夕方5時過ぎなのに、一体どうして?」楽しみにしていた猫の村の予想外の静けさに、私たちは戸惑いを隠せませんでした。
真っ暗闇となった「猴硐」の村を歩き回りました。猫たちはちらほら見かけたものの、観光施設やお店はすべて閉まっており、活気はありません。どうやら、台風の影響で観光客が激減したため、村全体が店を閉めていたようです。
誰もいなくなった「猴硐(ホウトン)」の村を後にして、この日は大人しく台北へ帰路につくことにしました。当初の予定通りにはいきませんでしたが、その代わりに「九份老街」「瑞芳」そして「猴硐猫村」で、悪天候だからこその貴重な体験をすることができました。予定通りに行かないのが旅の醍醐味。これで次回、再び戻ってくる理由ができたのだから、今日の旅程はこれで良しとしましょう!
































