2025年4月12日土曜日

絵で見る「世界遺産」:厳島神社(Itsukushima Shinto Shrine)ー 日本

 

厳島神社(Itsukushima Shinto Shrine)

**厳島神社(いつくしまじんじゃ)**は、広島県廿日市市の厳島(通称:宮島)にある神社で、海上に浮かぶように建てられた朱塗りの社殿と「大鳥居」で世界的に知られる神道の聖地です。
平安時代から続く壮麗な建築美と自然の景観が融合したその姿は、日本三景の一つとしても有名で、**1996年にユネスコ世界遺産(文化遺産)**に登録されました。


歴史

  • 創建:推古天皇元年(593年)とも伝えられ、古くから神聖な島とされていた。

  • 現在の社殿様式は平安時代後期(1168年)に平清盛が大規模に造営したもの。

  • 島全体が神域と考えられ、長らく「島に土足で入ることも禁じられていた」ほど。


建築と景観の特徴

  1. 海に浮かぶような社殿

    • 干満によって海に浮かんでいるように見える回廊と舞台は、自然と一体となった日本独特の美を体現。

    • 建築は寝殿造(平安貴族の邸宅様式)を神社建築に応用した珍しい形式。

  2. 大鳥居(おおとりい)

    • 高さ約16m、幅約24mの巨大な木造の鳥居で、海上に立つ世界的なシンボル

    • 潮が引くと歩いて鳥居の近くまで行ける。

    • 現在の鳥居は1875年の再建だが、これまでに8回建て替えられている。

  3. 自然と文化の融合

    • 背後に控える弥山(みせん)を含め、島全体が神聖な空間とされ、「文化的景観」としての価値も評価されている。




世界遺産としての価値

  • 建築と自然が一体化した日本独自の宗教的空間

  • 自然への畏敬と共生の精神を体現した設計思想

  • 日本の宗教建築史と景観美の代表例


現在の状況と観光

  • 神社は今も現役の宗教施設として、祭祀や結婚式、厄払いなどが行われている。

  • 年間300万人以上が訪れる日本屈指の観光名所。

  • 夜間ライトアップや干潮時の鳥居ウォークなど、季節・時間によって異なる表情を見せる。

  • 周辺には鹿、伝統的な町屋、もみじ饅頭、ロープウェイで登れる弥山などもあり、見どころ豊富。




アクセス

  • 所在地:広島県廿日市市 宮島町

  • 最寄駅:JR宮島口駅 → フェリーで約10分

  • 広島市中心部から電車とフェリーで約1時間程度


まとめ

厳島神社は、海と神殿が融合した神聖で美しい空間を持つ、日本が世界に誇る宗教遺産です。
平安の美意識、自然への信仰、建築技術の粋が詰まったこの神社は、ただの観光名所ではなく、心を洗うような静けさと感動を与えてくれる世界遺産です。



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