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アンコール・ワット(Angkor Wat) |
アンコール遺跡(Angkor, អង្គរ)は、カンボジア北西部シェムリアップ州に広がるクメール王朝(9世紀~15世紀)の巨大な宗教都市遺跡群 で、ヒンドゥー教と仏教の影響を受けた壮大な寺院群が特徴です。特にアンコール・ワットやアンコール・トムを含む遺跡群は、東南アジア最大級の考古学遺産 であり、1992年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。
歴史
- 802年:ジャヤヴァルマン2世がクメール王国を建国し、アンコール地域を拠点とする。
- 12世紀:スーリヤヴァルマン2世がアンコール・ワット を建立し、クメール王朝が最盛期を迎える。
- 12世紀後半~13世紀:ジャヤヴァルマン7世がアンコール・トム を築き、仏教を広める。
- 15世紀:アユタヤ王朝(タイ)の侵攻によりクメール王朝が衰退し、首都が移転。
- 19世紀:フランス人探検家アンリ・ムオが遺跡を再発見。
- 20世紀:修復と保護活動が進められる。
- 1992年:ユネスコ世界遺産に登録。
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アンコール・トム(Angkor Thom) |
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アンコール・ワット(Angkor Wat)
- 東西1.5km×南北1.3kmの巨大な寺院で、世界最大級の宗教建築。
- ヒンドゥー教のヴィシュヌ神を祀る寺院として建立され、のちに仏教寺院となる。
- 中央にそびえる5つの塔は、ヒンドゥー教の聖山「メール山」を象徴。
- 美しい「乳海攪拌」のレリーフが壁面に刻まれている。
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アンコール・トム(Angkor Thom)
- ジャヤヴァルマン7世が築いたクメール王国最後の王都。
- 四方約3kmの城壁に囲まれ、中央には仏教寺院バイヨン(Bayon)がある。
- バイヨン寺院の「四面仏塔」は、観光の見どころの一つ。
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タ・プローム(Ta Prohm)
- 巨大なガジュマルの木に覆われた遺跡で、「自然と遺跡の融合」が魅力。
- 映画『トゥームレイダー』のロケ地としても有名。
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高度な水利システム
- クメール王朝は、灌漑設備と人工貯水池(バライ)を活用し、広大な都市を支えた。
- アンコール遺跡は、世界最大級の水利都市遺跡としても評価されている。
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タ・プローム(Ta Prohm) |
現在の状況
- 観光地として人気があり、年間200万人以上が訪れる。
- 遺跡の劣化や観光客の増加による環境問題が課題となっている。
- ユネスコや各国の協力により、修復と保護活動が続けられている。
アクセス
- 所在地:カンボジア・シェムリアップ州
- 最寄り都市:シェムリアップ(空港から車で約30分)
- 入場料:1日券37ドル、3日券62ドル(2024年時点)
まとめ
アンコール遺跡は、クメール王国の栄華を伝える壮大な遺跡群であり、東南アジア最大級の文化遺産 です。ヒンドゥー教と仏教の影響を受けた独自の建築様式や水利システムが特徴で、現在も世界中の観光客を魅了し続けています。
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