2025年3月5日水曜日

世界遺産:イシュケル湖(Ichkeul Lake)ー チュニジア

イシュケル湖(Ichkeul Lake)

イシュケル湖(Ichkeul Lake, بحيرة إشكل)は、チュニジア北部に位置する北アフリカ最大級の湿地帯で、渡り鳥の重要な生息地 です。この湖は、地中海地域における最後の淡水湖の一つであり、1980年にユネスコ世界遺産(自然遺産) に登録されました。また、ラムサール条約(湿地保全条約)にも登録 されており、生態系の保護が進められています。

歴史

  • 古代ローマ時代:湖周辺は農業と漁業の重要な地域だった。
  • 20世紀:ダム建設による水質変化が生態系に影響を与え、保護活動が本格化。
  • 1980年:ユネスコ世界遺産に登録。
  • 1996年:ダムの影響で危機遺産リストに登録されるが、その後の改善により2006年に解除。

特徴

  1. 重要な渡り鳥の生息地

    • 北アフリカ最大級の水鳥の生息地で、毎年何十万羽もの渡り鳥が訪れる。
    • 特にフラミンゴ、マガモ、ツクシガモ、シロペリカン などが観察できる。
  2. 湖と湿地の豊かな生態系

    • イシュケル湖は季節によって塩分濃度が変わるユニークな湖。
    • 周囲の湿地には多様な植物が生息し、魚類や水生生物の重要な生息地となっている。
  3. ラムサール条約にも登録

    • 湿地の保護を目的とするラムサール条約に登録されており、国際的な保護対象となっている。
    • 近年はダムの水管理を改善し、湿地の自然環境を回復させる努力が続けられている。

現在の状況

  • 観光地としても人気があり、バードウォッチングやハイキングが楽しめる。
  • チュニジア政府とユネスコによる環境保全活動が進められ、ダムの管理が改善された。
  • かつて危機遺産リストに登録されたが、2006年に解除され、保護が強化された。

アクセス

  • 所在地:チュニジア北部(チュニスの西約70km)
  • 最寄り都市:ビゼルト(車で約1時間)
  • 入場料:無料または低額の自然保護区入場料(変動あり)

まとめ

イシュケル湖は、北アフリカにおける最も重要な湿地の一つであり、多様な渡り鳥の生息地として世界的に重要な自然遺産 です。かつてダムの影響で生態系が脅かされましたが、保護活動により回復し、現在も貴重な湿地環境が維持されています。


0 件のコメント: