2025年3月19日水曜日

世界遺産:レプティス・マグナ(Leptis Magna)ー リビア

レプティス・マグナ(Leptis Magna)

レプティス・マグナ(Leptis Magna)は、リビア北西部の地中海沿岸に位置するローマ帝国時代の古代都市遺跡 で、ローマ帝国のアフリカ属州の中でも特に重要な都市の一つでした。都市遺跡は驚くほど保存状態が良く、ローマ時代の建築、広場、劇場、浴場、凱旋門などが残っています。1982年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。


歴史

  • 紀元前7世紀:フェニキア人によって建設される。
  • 紀元前3世紀:カルタゴの支配下に入り、交易都市として発展。
  • 紀元前146年:第三次ポエニ戦争後、ローマ帝国の支配下に入る。
  • 2世紀:ローマ皇帝セプティミウス・セウェルス(Leptis Magna出身)のもとで最盛期を迎える。
  • 4世紀以降:ローマ帝国の衰退とともに都市も衰退。
  • 7世紀:アラブ人の侵攻後、都市は放棄される。
  • 19~20世紀:考古学的発掘が進み、多くの遺跡が発見される。
  • 1982年:ユネスコ世界遺産に登録。

セプティミウス・セウェルスの凱旋門
特徴

  1. ローマ帝国時代の壮大な都市遺跡

    • 都市計画が明確で、道路や水道設備が整備されていた。
    • 港を備え、地中海貿易の要所として栄えた。
  2. 主な建築遺構

    • セプティミウス・セウェルスの凱旋門:都市の入口に建つ壮大な凱旋門。
    • 円形劇場:ローマ時代の娯楽施設で、現在も良好な保存状態。
    • バジリカ:司法や行政の中心施設で、壮麗な柱が残る。
    • フォルム(公共広場):政治・経済・社交の中心地。
    • 公衆浴場:ローマの高度な水道技術が使われた浴場跡。
  3. 驚くべき保存状態

    • 砂漠地帯にあったため、遺跡は風化を免れ、精巧な彫刻や建築が残っている。
    • ローマ帝国のアフリカ属州の都市遺跡の中でも、最も保存状態が良いとされる。

円形劇場
現在の状況

  • リビアの政情不安により、観光客の訪問は制限されている。
  • 遺跡の保護が課題となっており、ユネスコや考古学者による保護活動が行われている。
  • リビアの歴史的・文化的遺産の中でも、特に貴重な存在とされている。

アクセス

  • 所在地:リビア・トリポリの東約120km
  • 最寄り都市:トリポリ(車で約2時間)
  • 入場料:観光が制限されているため、最新情報を確認する必要あり。

公衆浴場
まとめ

レプティス・マグナは、ローマ帝国のアフリカ属州の中でも最も壮大で保存状態の良い遺跡の一つであり、都市計画や建築の精巧さから「アフリカのローマ」とも称される世界遺産 です。リビアの政情が安定すれば、世界中の考古学者や観光客が訪れるべき貴重な遺産となるでしょう。


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