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キルワ・キシワニ(Kilwa Kisiwani) |
概要
キルワ・キシワニとソンゴ・ムナラの遺跡群(Ruins of Kilwa Kisiwani and Ruins of Songo Mnara)は、タンザニア沖のインド洋沿岸に位置するスワヒリ文明の交易都市の遺跡 です。中世イスラム世界とアフリカ東海岸を結ぶ交易ネットワークの拠点として繁栄し、特に11世紀から16世紀にかけて金、象牙、香辛料の交易で栄えました。 1981年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。
歴史
- 9世紀頃:アラブ商人がインド洋交易の拠点としてキルワ・キシワニを開拓。
- 11世紀:キルワ王国が形成され、スワヒリ文化とイスラム文化が融合。
- 14~15世紀:最盛期を迎え、アフリカ南部から産出される金の交易拠点として繁栄。
- 16世紀:ポルトガルの侵攻により衰退。
- 18~19世紀:オマーン帝国の影響を受けるが、交易都市としての地位を失う。
- 20世紀以降:遺跡の保存活動が進められる。
- 1981年:ユネスコ世界遺産に登録。
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フスニ・クブワ宮殿(Husuni Kubwa) |
特徴
1. キルワ・キシワニ(Kilwa Kisiwani)
- スワヒリ文化を代表する都市遺跡で、11~15世紀に最も栄えた。
- 東アフリカ沿岸で最大の交易都市であり、ペルシャ、アラブ、インド、中国と交易を行った。
- 主な遺跡:
- フスニ・クブワ宮殿(Husuni Kubwa):14世紀のスルタン宮殿で、東アフリカ最大級の建築。
- フスニ・ンドゴ宮殿(Husuni Ndogo):小規模な要塞跡。
- キルワのモスク(Great Mosque of Kilwa):アフリカ最古のモスクの一つで、11世紀に建設され、後に拡張された。
2. ソンゴ・ムナラ(Songo Mnara)
- 14~16世紀に繁栄したキルワ王国の別の交易都市。
- 都市計画が整った遺跡群で、スワヒリ建築の典型。
- 主な遺跡:
- モスクや住居群:石造りの家屋が並ぶ都市構造が確認されている。
- 貯水槽や防御壁:都市機能を支えた高度なインフラが残る。
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キルワのモスク(Great Mosque of Kilwa) |
現在の状況
- 遺跡の劣化が進んでおり、ユネスコとタンザニア政府による保護・修復活動が行われている。
- アクセスが限られているため観光客は比較的少ないが、スワヒリ文化を学ぶ上で貴重な遺産。
- インド洋交易圏の歴史を示す重要な証拠として、考古学的研究が進められている。
アクセス
- 所在地:タンザニア・インド洋沿岸(ダルエスサラームから南へ約300km)
- 最寄り都市:リンダ(Lindi)、ムトワラ(Mtwara)
- 交通手段:船でアクセス(現地ツアーを利用)
- 入場料:遺跡保護のため有料(現地で確認)
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ソンゴ・ムナラ(Songo Mnara) |
まとめ
キルワ・キシワニとソンゴ・ムナラの遺跡群は、スワヒリ文化の中心都市として繁栄し、インド洋交易ネットワークにおいて重要な役割を果たした歴史的遺産 です。その建築と都市計画は、アフリカとアラブ・イスラム世界の融合を示し、東アフリカの歴史を物語る貴重な遺跡群となっています。
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