2025年3月10日月曜日

世界遺産:ポロンナルワ(Ancient City of Polonnaruwa)ー スリランカ

ポロンナルワ(Ancient City of Polonnaruwa)

ポロンナルワ(Polonnaruwa, පොළොන්නරුව)は、スリランカの中部にある11~13世紀の古代都市遺跡 で、シンハラ王朝の首都として繁栄しました。仏教寺院、宮殿、貯水池などが残り、スリランカ中世の都市計画と仏教文化を伝える貴重な遺跡群 です。1982年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。


歴史

  • 993年:南インドのチョーラ朝がアヌラーダプラを侵略し、ポロンナルワを支配。
  • 11世紀後半:スリランカのシンハラ王朝がチョーラ朝を追放し、ヴィジャヤバーフ1世(1070年即位)が新たな王都として整備。
  • 12世紀パラークラマバーフ1世(1153-1186年)が最盛期を築き、巨大な貯水池「パラークラマ・サムドラ」を建設。
  • 13世紀:南インドの侵攻を受け、王都は衰退し、クルネーガラへ遷都。
  • 19~20世紀:遺跡の発掘と修復が進められる。
  • 1982年:ユネスコ世界遺産に登録。

ガル・ヴィハーラ(Gal Vihara)

特徴

  1. 王宮と宮殿遺跡

    • ヴィジャヤバーフ1世の王宮:かつて7階建ての巨大な宮殿だったが、現在は基礎部分と一部の壁が残る。
    • パラークラマバーフ1世の宮殿:広大な王宮の跡があり、当時の都市計画の規模を示す。
  2. ガル・ヴィハーラ(Gal Vihara)

    • 巨大な4体の仏像が岩壁に彫られた仏教寺院。
    • 横たわる仏像(涅槃仏)は14mの長さがあり、スリランカ最高の彫刻技術の一つとされる。
  3. ランカティラカ寺院(Lankatilaka Vihara)

    • 高さ約17mの仏像が安置された、壁の高さが特徴的な仏教寺院。
    • レンガ造りの壮大な構造が、当時の建築技術を伝えている。
  4. パラークラマ・サムドラ(Parakrama Samudra)

    • 「パラークラマの海」と呼ばれる巨大な貯水池で、灌漑システムの傑作。
    • 約2,500ヘクタールの水域があり、現在も農業用水として活用されている。
  5. クワドラングル(Quadrangle)

    • スリランカで最も保存状態の良い仏教建築群が集まるエリア。
    • 円形仏塔「ワタダーゲ(Vatadage)」が特に有名で、石造の美しい装飾が残る。

ランカティラカ寺院(Lankatilaka Vihara)
現在の状況

  • スリランカ政府とユネスコが協力し、遺跡の修復と保護を進めている。
  • 観光地として人気があり、多くの訪問者が歴史を学びながら遺跡を巡る。
  • 世界遺産登録によって国際的な注目を集め、文化遺産としての価値が再評価されている。

アクセス

  • 所在地:スリランカ中部
  • 最寄り都市:ダンブッラ(車で約1.5時間)、コロンボ(車で約5時間)
  • 入場料:30ドル(外国人観光客向け)

ワタダーゲ(Vatadage)

まとめ

ポロンナルワは、スリランカ中世の仏教文化と王国の繁栄を伝える貴重な遺跡都市で、壮大な宮殿や精巧な仏教建築、優れた灌漑システムが特徴 です。かつての首都としての栄華を今に伝え、スリランカの歴史と文化を学ぶ上で欠かせない世界遺産となっています。


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