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ダルマラージカ仏塔(Dharmarajika Stupa) |
タキシラ(Taxila, تخت جائ, तक्षशिला)は、パキスタン北部にある古代インド・グレコ仏教文化の中心地であり、紀元前6世紀から紀元5世紀まで繁栄した都市遺跡 です。古代インド、ペルシャ、ギリシャ、中央アジアの文化が交差した重要な交易都市 であり、仏教の発展にも大きく貢献しました。1980年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。
歴史
- 紀元前6世紀:アケメネス朝ペルシャ帝国の支配下に入り、都市が形成される。
- 紀元前4世紀:アレクサンドロス大王(ギリシャ軍)が侵攻し、ヘレニズム文化が流入。
- 紀元前3世紀:マウリヤ朝のアショーカ王が仏教を広め、仏教の学問の中心地となる。
- 紀元1世紀~3世紀:クシャーナ朝時代に繁栄し、仏教美術「ガンダーラ様式」が発展。
- 5世紀:エフタル(白フン族)の侵攻により衰退し、最終的に廃墟となる。
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ジャウリアン修道院(Jaulian Monastery) |
特徴
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仏教とギリシャ文化の融合(ガンダーラ文化)
- ギリシャ彫刻の影響を受けた仏像や仏教遺跡が残る。
- ヘレニズム、インド、ペルシャの文化が融合したユニークな美術様式。
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タキシラ大学(世界最古級の大学)
- 紀元前5世紀には、哲学、医学、数学、政治学などを学ぶ高等教育機関が存在。
- パンチャタントラ(インド寓話集)やアーユルヴェーダの知識も教えられた。
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主要な遺跡群
- ダルマラージカ仏塔(Dharmarajika Stupa):アショーカ王が建立した大仏塔。
- ジャウリアン修道院(Jaulian Monastery):仏教僧の学びの場で、仏像やストゥーパが残る。
- シルカップ遺跡(Sirkap):ギリシャ・ローマ風の都市遺跡で、ヘレニズム文化の影響が見られる。
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シルクロードの重要拠点
- インドと中央アジアを結ぶ交易の要所として栄えた。
- 貿易を通じて、仏教やギリシャ文化が広がった。
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シルカップ遺跡(Sirkap) |
- パキスタン政府とユネスコが遺跡の保護活動を実施。
- 考古学的発掘が続いており、新たな発見が期待されている。
- 観光地としても人気があり、博物館やガイドツアーが提供されている。
アクセス
- 所在地:パキスタン・パンジャーブ州
- 最寄り都市:イスラマバード(車で約1時間)
- 入場料:500~1000パキスタンルピー(外国人向け)
まとめ
タキシラは、仏教とギリシャ文化が融合したガンダーラ文明の中心地であり、古代インド最古の学問都市としても名高い世界遺産 です。シルクロードの交差点として、東西文化の交流拠点となり、現在もその歴史的価値が高く評価されています。
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