2025年3月25日火曜日

世界遺産:バターリャ修道院(Monastery of Batalha)ー ポルトガル

バターリャ修道院(Monastery of Batalha)

バターリャ修道院(Mosteiro da Batalha) は、ポルトガル中部の町バターリャにあるゴシック様式とマヌエル様式が融合した荘厳なカトリック修道院建築です。正式名称は「サンタ・マリア・ダ・ヴィトリア修道院(修道院・勝利の聖母マリア)」。1385年のアルジュバロータの戦いでの勝利を記念して建てられたもので、ポルトガル独立の象徴的建築でもあります。1983年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。


歴史

  • 1385年:アルジュバロータの戦いで、ジョアン1世がカスティーリャ軍に勝利。

  • 1386年:その勝利を「聖母マリア」に捧げるため、修道院の建設を開始。

  • 建設期間:およそ2世紀(約150年間)にわたり増築される。

  • 16世紀:マヌエル様式(ポルトガル特有の華麗な装飾)が加わる。

  • 現在:ポルトガル王家の霊廟や戦争記念碑としても重要視されている。


未完の礼拝堂(Capelas Imperfeitas)

特徴
  1. 建築様式の融合

    • ゴシック様式:天井のリブ・ヴォールトや高窓、尖塔が特徴。

    • マヌエル様式(マヌエリーノ様式):航海時代の象徴(ロープ、海洋モチーフ)などの装飾。

  2. 未完の礼拝堂(Capelas Imperfeitas)

    • 外観の一角にある、未完成の王家霊廟。天井が未完のまま残されており、空に開いた「石の花」のような構造が印象的。

  3. 王の霊廟(Capela do Fundador)

    • 修道院内にはジョアン1世とその王妃フィリパ・デ・ランカスター、息子エンリケ航海王子の墓が並ぶ。

    • ポルトガルの黄金時代を築いた人物たちが眠る場として、国家的象徴でもある。

  4. 回廊(Claustro Real)

    • マヌエル様式の華やかな彫刻とアーチが美しい中庭。修道士たちの静寂な生活の中心だった場所。


王の霊廟(Capela do Fundador)

現在の状況

  • 観光地として人気が高く、リスボンやファティマから日帰りで訪れる人も多い。

  • 修道士はいないが、文化財として一般公開されており、展示やイベントも開催される。

  • 国の独立と宗教の象徴として、国内外から多くの巡礼者・観光客が訪れる。


アクセス

  • 所在地:ポルトガル・レイリア県バターリャ町

  • 最寄り都市:ファティマまたはレイリア(車・バスで30分以内)

  • リスボンから:車で約1時間30分



まとめ

バターリャ修道院は、ポルトガルの独立を象徴する壮大なゴシック建築の結晶です。建設に2世紀を費やした歴史や、王家の墓所としての荘厳さ、未完成の美を見せる礼拝堂など、見どころが豊富。芸術、宗教、歴史が融合したポルトガル屈指の世界遺産です。


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