世界遺産：州立恐竜公園（Dinosaur Provincial Park）ー カナダ

州立恐竜公園（Dinosaur Provincial Park）

州立恐竜公園（Dinosaur Provincial Park）は、カナダのアルバータ州に位置する、世界有数の恐竜化石発掘地 であり、ユニークな地形を持つバッドランド（荒地）に広がっています。1980年にユネスコ世界遺産（自然遺産） に登録されました。

歴史

• 約7500万年前（白亜紀後期）：恐竜が繁栄し、当時の湿地帯に生息。
• 1884年：カナダ地質調査所の地質学者が初めて恐竜化石を発見。
• 20世紀初頭：化石発掘が本格化し、多くの新種が発見される。
• 1955年：州立公園として指定。
• 1980年：ユネスコ世界遺産に登録。

特徴

1. 世界最大級の恐竜化石発掘地

   • 40種類以上の恐竜の化石が発見され、約500以上の標本が世界中の博物館に展示 されている。
   • ティラノサウルス、トリケラトプス、パキケファロサウルス、エドモントサウルスなど、多様な恐竜の化石が出土。

2. バッドランドの独特な地形

   • 乾燥した荒野に侵食によって形成された奇岩や峡谷が広がる。
   • 岩石層には、白亜紀の湿地環境の痕跡が残っている。

3. 科学研究と保護活動

   • アルバータ州のロイヤル・ティレル古生物学博物館と連携し、発掘調査と化石の研究が継続。
   • 特定エリアへの立ち入り制限を設け、化石の保護が徹底されている。

4. 観光と教育活動

   • 化石発掘体験ツアー、ハイキング、ガイド付きツアー などが提供され、一般の人も恐竜の歴史を学べる。
   • ビジターセンターでは、恐竜の復元模型や展示があり、家族連れにも人気。

現在の状況

• 観光地としても人気が高く、年間10万人以上が訪れる。
• 環境保護のため、観光客のアクセスを管理し、発掘活動と並行して保存活動が進められている。
• 気候変動の影響による地形の変化や侵食が課題となっている。

アクセス

• 所在地：カナダ・アルバータ州
• 最寄り都市：カルガリー（車で約2.5時間）、メディスンハット（車で約1.5時間）
• 入場料：無料（ツアーやアクティビティは有料）

まとめ

州立恐竜公園は、世界最大級の恐竜化石発掘地であり、独特なバッドランド地形を持つ貴重な自然遺産 です。科学研究の最前線でありながら、観光や教育の場としても重要な役割を果たしており、古生物学と地球の歴史を学ぶ絶好の場所となっています。