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ギョベクリ・テペ(Göbekli Tepe) |
ギョベクリ・テペ(Göbekli Tepe, 「太鼓腹の丘」)は、トルコ南東部に位置する、世界最古の巨石遺跡の一つ で、約1万2000年前(紀元前9600年~8200年)に建設されたと考えられています。人類がまだ農耕を本格的に始める前の時代に、宗教的な目的で建設されたとされ、考古学界に大きな影響を与えた発見です。2018年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。
歴史
- 紀元前9600年~8200年頃:狩猟採集民によって建設され、儀式の場として使用される。
- 紀元前8000年頃:意図的に埋められ、放棄される。
- 1994年:ドイツ人考古学者クラウス・シュミットによって発見され、本格的な発掘が始まる。
- 2018年:ユネスコ世界遺産に登録。
特徴
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世界最古の巨石遺跡
- 紀元前9600年ごろに建設されたと推定され、ストーンヘンジ(紀元前2500年)より約7000年も古い。
- 巨大なT字型の石柱(高さ3~6m、重さ10~50トン)が円形に配置されている。
- 当時の人々はまだ農耕を始めておらず、狩猟採集民が建設したと考えられている。
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精巧な石彫刻
- 石柱には動物(ライオン、キツネ、サソリ、蛇など)の浮き彫り や幾何学模様が刻まれている。
- 人物像や神秘的なシンボルも見られ、宗教的・儀式的な意味があったと推測されている。
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最古の宗教的建造物
- 神殿や祭祀場として機能していた可能性が高い。
- 人類の宗教の起源を探る上で非常に重要な遺跡 であり、農耕開始よりも先に宗教的施設が建てられた可能性を示唆している。
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意図的に埋められた謎
- 紀元前8000年ごろに遺跡全体が土で埋められ、放棄された形跡がある。
- なぜ埋められたのかは未解明で、宗教的な儀式の終了や社会の変化が関係している可能性 がある。
現在の状況
- 遺跡の発掘と研究が進行中 で、新たな構造物が発見されている。
- 考古学的保護のため、一部のエリアは立ち入り制限あり。
- トルコ政府が観光開発を進め、博物館やビジターセンターが整備されている。
アクセス
- 所在地:トルコ・シャンルウルファ県
- 最寄り都市:シャンルウルファ市(車で約45分)
- 入場料:約10~15ユーロ
まとめ
ギョベクリ・テペは、世界最古の宗教的建造物として、人類史における文明発展の常識を覆した重要な遺跡 です。狩猟採集社会においてすでに大規模な建築が行われ、宗教が農耕や定住生活よりも先に発展した可能性を示唆する点で、考古学的にも非常に大きな意義を持っています。
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