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オランジュのローマ劇場(Théâtre antique d'Orange) |
フランス南東部のオランジュ(Orange)にあるローマ劇場と凱旋門は、ローマ帝国時代の貴重な遺産であり、非常に保存状態が良いことで知られています。 特にオランジュのローマ劇場は、世界で最も保存状態の良いローマ時代の劇場の一つ であり、現在もコンサートやオペラ公演の会場として使用されています。1981年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。
歴史
- 紀元前1世紀:ローマ帝国の属州ガリア・ナルボネンシスの一部として、オランジュに劇場と凱旋門が建設される。
- 4世紀~中世:ローマ帝国の衰退後、劇場は放棄され、要塞として使用される。
- 16~17世紀:宗教戦争の影響で大きな被害を受ける。
- 19世紀:ナポレオン3世の時代に大規模な修復が行われ、劇場が復元。
- 20世紀以降:夏の音楽祭「コリゼ・ロマン・フェスティバル」が開催され、劇場は文化の中心地となる。
- 1981年:ユネスコ世界遺産に登録。
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オランジュの凱旋門(Arc de Triomphe d'Orange)
特徴
1. オランジュのローマ劇場(Théâtre antique d'Orange)
- 紀元前1世紀に建設された大規模なローマ劇場。
- 舞台背後の壁(高さ37m、幅103m)が完全に残っており、ローマ時代の劇場建築の特徴を示す。
- 収容人数:9,000人以上。
- 音響効果が非常に優れており、現在も音楽フェスティバルやオペラ公演が開催されている。
- 劇場正面の壁には、ローマ皇帝アウグストゥスの像がある。
2. オランジュの凱旋門(Arc de Triomphe d'Orange)
- 紀元前20~25年頃に建設された、ガリア征服を記念するローマ帝国の凱旋門。
- 高さ19m、幅19.5m、奥行き8mの壮大な三連アーチ構造。
- ローマ軍の戦勝を祝うレリーフが刻まれ、剣闘士や戦車の彫刻が見られる。
- 当初はローマ街道(アグリッパ街道)の一部として機能し、都市の玄関口だった。
現在の状況
- ローマ劇場は現在もコンサートやオペラなどの公演に使用され、文化の発信地となっている。
- 凱旋門は、修復が行われつつも、当時のローマ建築の威厳を伝えている。
- 観光地として人気があり、年間多くの観光客が訪れる。
アクセス
- 所在地:フランス・プロヴァンス地方(オランジュ市)
- 最寄り都市:アヴィニョン(車で約30分)
- 入場料:ローマ劇場の見学は約10~12ユーロ
まとめ
オランジュのローマ劇場と凱旋門は、ローマ帝国の建築技術と文化を現代に伝える貴重な世界遺産 です。劇場は現在も使用され、ローマ時代の壮麗な雰囲気を体感できる貴重な場所となっています。
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