2025年3月5日水曜日

世界遺産:サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(Santa Maria delle Grazie)ー イタリア

サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(Santa Maria delle Grazie)

サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(Santa Maria delle Grazie)は、イタリア・ミラノにあるドミニコ会の教会および修道院 で、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた**「最後の晩餐(Il Cenacolo)」** があることで世界的に有名です。1980年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。

歴史

  • 1463年:ミラノ公フランチェスコ・スフォルツァの命により建設開始。
  • 1492年:建築家ドナト・ブラマンテが改修し、ルネサンス様式のドームを追加。
  • 1495年~1498年:レオナルド・ダ・ヴィンチが修道院の食堂に**「最後の晩餐」** を描く。
  • 1943年:第二次世界大戦の爆撃で修道院の一部が破壊されるが、「最後の晩餐」の壁画は奇跡的に残る。
  • 1980年:ユネスコ世界遺産に登録。

レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」
特徴

  1. ルネサンス建築の傑作

    • ゴシックとルネサンス様式が融合した美しいデザイン。
    • 建築家ドナト・ブラマンテ によるルネサンス様式のクーポラ(円蓋)が特徴的。
    • 教会内部にはフレスコ画や美しい回廊が残る。
  2. レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」

    • 修道院の食堂(ダイニングホール)の壁に描かれた巨大な壁画(4.6m × 8.8m)。
    • キリストと12使徒の感情を表現した画期的な構図が特徴。
    • フレスコ画ではなく「テンペラ混合技法」で描かれたため、劣化が進みやすく、何度も修復が行われている。
  3. 戦争を乗り越えた貴重な遺産

    • 第二次世界大戦中にミラノは大規模な爆撃を受け、教会の一部が破壊されたが、「最後の晩餐」は防護壁によって奇跡的に守られた。
    • 近年は厳格な保護のもとで観覧が制限されている。

現在の状況

  • 観光客が多く、事前予約が必須(数か月前から予約が必要)。
  • 「最後の晩餐」の観覧は、15分間の時間制限付きで1回最大25人のみ。
  • 修復作業が続けられ、環境管理のための温湿度調整が行われている。

アクセス

  • 所在地:イタリア・ミラノ
  • 最寄り駅:ミラノ地下鉄「Conciliazione」または「Cadorna」駅から徒歩約10分
  • 入場料:約15~20ユーロ(「最後の晩餐」観覧は別途予約が必要)

まとめ

サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会は、ルネサンス建築の傑作であり、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を擁する世界的に重要な文化遺産 です。戦争の破壊を乗り越え、現在も厳重に保護されながら、芸術と歴史の価値を後世に伝え続けています。


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