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チョガ・ザンビール(Chogha Zanbil) |
チョガ・ザンビール(Chogha Zanbil, چغازنبیل)は、イラン南西部にあるエラム王国(紀元前13世紀)の宗教都市の遺跡 で、特に巨大なジッグラト(段状ピラミッド) で有名です。メソポタミア文明の影響を受けたエラム文化を代表する遺跡の一つで、1979年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。
歴史
- 紀元前1250年頃:エラム王ウンタシュ・ナピリシャ(Untash-Napirisha)が神殿都市として建設。
- 紀元前640年頃:アッシリア王アッシュルバニパルの侵攻により破壊され、放棄される。
- 20世紀:フランスの考古学者によって発掘され、遺跡が再発見される。
- 1979年:ユネスコ世界遺産に登録。
特徴
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イラン最大のジッグラト(段状ピラミッド)
- メソポタミアの神殿建築(ジッグラト)の影響を受けた5層の構造。
- 高さは当初約52mだったが、現在は25mが残る。
- 日干しレンガと焼成レンガで造られ、神殿として機能していた。
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宗教都市の構造
- 三重の城壁に囲まれた聖域で、エラムの神ナピリシャを祀る神殿が中心。
- 都市全体が宗教儀式のために設計されており、住居はなく、王族や神官のみが利用。
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高度な建築技術
- 舗装された道路や排水システムが確認され、当時の都市計画が進んでいたことが分かる。
- 陶器でできた「グーテル」システム(排水施設)があり、古代の水管理技術の一例。
- レンガにはエラム語の銘文が刻まれ、建設者や目的が記録されている。
現在の状況
- 保存状態が比較的良く、ジッグラトの構造がはっきり残っている。
- 観光地として人気があり、イランの代表的な古代遺跡の一つ。
- 風化による劣化が進んでおり、保護活動が進められている。
アクセス
- 所在地:イラン・フーゼスターン州
- 最寄り都市:アフヴァーズ(車で約2時間)
- 入場料:数ユーロ程度(現地で確認)
まとめ
チョガ・ザンビールは、エラム文明を代表する宗教都市の遺跡で、イラン最大のジッグラトを持つ貴重な遺産 です。メソポタミア文明との関係を示す証拠としても重要で、古代中東の宗教・建築技術を理解する上で欠かせない世界遺産となっています。
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