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アーヘン大聖堂(Aachen Cathedral) |
アーヘン大聖堂(Aachen Cathedral, Aachener Dom)は、ドイツ西部アーヘンにある歴史的な大聖堂 で、神聖ローマ帝国の初代皇帝カール大帝(シャルルマーニュ)によって建設されました。西ヨーロッパで最も古い大聖堂の一つであり、中世ヨーロッパの宗教・政治の中心地として重要な役割を果たしました。1978年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録され、世界で最初に登録された遺産の一つです。
歴史
- 8世紀後半(792年頃):カール大帝(シャルルマーニュ)が王宮礼拝堂(パラティーナ礼拝堂)を建設開始。
- 805年:大聖堂が完成し、カール大帝の宮廷教会となる。
- 814年:カール大帝が大聖堂内に埋葬される。
- 936年〜1531年:神聖ローマ帝国の歴代皇帝約30人がここで戴冠式を行う。
- 14〜15世紀:ゴシック様式の拡張工事が行われ、現在の形になる。
- 20世紀:第二次世界大戦で損傷するが、戦後修復される。
特徴
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カール大帝の王宮礼拝堂(パラティーナ礼拝堂)
- 大聖堂の中心部は、八角形の建物 で、ビザンティン建築の影響を受けた設計。
- モザイク装飾が施されたドーム や、精巧な大理石の柱が特徴。
- カール大帝の玉座があり、かつての戴冠式の場として使われた。
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神聖ローマ帝国の歴代皇帝の戴冠式の場
- 936年のオットー1世をはじめ、約30人の神聖ローマ皇帝がここで戴冠式を行った。
- 中世ヨーロッパの政治・宗教の中心として機能した。
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聖遺物とカール大帝の墓
- 大聖堂には、キリスト教の重要な聖遺物(聖母マリアの衣、キリストの帯など) が収められている。
- カール大帝は金色の石棺「カール大帝の棺」 に納められており、多くの巡礼者が訪れる。
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ゴシック様式の拡張
- 14世紀にはゴシック様式の高窓(シュヴィーツァー窓) が追加され、内部が明るく彩られる。
- 15世紀には黄金の聖母マリア祭壇 も設置された。
現在の状況
- ドイツを代表する観光名所 で、多くの巡礼者や観光客が訪れる。
- 定期的に修復作業が行われ、文化遺産として保護されている。
- 現在もカトリックの教会として使用され、宗教行事が開催される。
アクセス
- 所在地:ドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州アーヘン
- 最寄り駅:アーヘン中央駅(Aachen Hauptbahnhof)から徒歩約15分
- 入場料:基本無料(特定のエリアは有料ツアーあり)
まとめ
アーヘン大聖堂は、カール大帝の宮廷礼拝堂として建設され、神聖ローマ帝国の歴代皇帝の戴冠式が行われた歴史的建造物 です。ビザンティン様式とゴシック様式が融合した独特の建築美を持ち、西ヨーロッパ中世キリスト教の中心的存在 であり続けました。現在も宗教的・文化的な重要性を持つ、ヨーロッパ屈指の世界遺産のひとつです。
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