2025年2月27日木曜日

世界遺産:コー・ケー(Koh Ker)ー カンボジア

コー・ケー(Koh Ker)

コー・ケー(Koh Ker, កោះកេរ្ដិ)は、カンボジア北部にあるクメール王朝の遺跡群 で、10世紀に短期間ながらクメール王国(アンコール王朝)の首都 となった歴史を持ちます。ジャングルに囲まれた広大な遺跡には、独特なピラミッド型の寺院が残されており、2023年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。

歴史

  • 928年~944年:クメール王朝のジャヤーヴァルマン4世がアンコールから遷都し、首都をコー・ケーに定める。
  • 944年以降:新王ラージェンドラヴァルマン2世が再びアンコールへ遷都し、コー・ケーは放棄される。
  • 19世紀以降:フランス人探検家により再発見され、考古学的調査が始まる。
  • 2023年:ユネスコ世界遺産に登録。

特徴

  1. コー・ケー寺院群の中心「プラサット・トム(Prasat Thom)」

    • 高さ約36mのピラミッド型寺院 は、クメール建築では珍しい独特の構造。
    • 頂上からは遺跡群と密林を一望できる。
    • 当時のヒンドゥー教の信仰と王権の象徴 として建てられた。
  2. 精巧な彫刻と石造建築

    • シヴァ神を祀る**「プラサット・クリアン(Prasat Krahom)」** など、多くの寺院が点在。
    • ナーガ(蛇神)やガルーダ(神鳥)をかたどった彫刻 が特徴的。
    • アンコール遺跡とは異なる独自の装飾スタイルが見られる。
  3. 密林に埋もれた秘境の遺跡

    • 長らく密林に覆われていたため、観光地化が進んでおらず、手つかずの雰囲気が残る。
    • ラテライト(赤土の石材)を使用した独特な建築 が特徴。
  4. アンコール遺跡との関係

    • コー・ケーの王宮はアンコール王朝の一時的な首都であり、アンコール建築の発展にも影響を与えた。
    • その後、アンコール遺跡に戻ったため、コー・ケーは短期間の首都として歴史から消えた。

現在の状況

  • 観光地として徐々に開発が進んでおり、訪問しやすくなっている。
  • 地雷除去が進められているが、一部エリアでは立ち入り制限がある。
  • 修復作業が続けられ、寺院の保存が進められている。

アクセス

  • 所在地:カンボジア・プレアヴィヒア州
  • 最寄り都市:シェムリアップ(アンコール遺跡群の拠点)から車で約2~3時間
  • 入場料:アンコール遺跡とは別途チケットが必要(約15ドル)

まとめ

コー・ケーは、クメール王国の短期間の首都として建設された遺跡群で、アンコールとは異なる独自のピラミッド型寺院や美しい石彫刻が特徴 です。長らく密林に埋もれていた秘境の遺跡として、近年世界遺産に登録され、観光地としての注目度が高まっています。


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