2025年2月19日水曜日

世界遺産:クラクフ歴史地区(Historic Centre of Kraków)ー ポーランド

クラクフ歴史地区(Historic Centre of Kraków)

クラクフ(Kraków)は、ポーランド南部に位置する歴史的な都市 で、かつてのポーランド王国の首都でした。中世から現在に至るまで、政治・経済・文化の中心地として発展し、美しいゴシック、ルネサンス、バロック建築が残る街並みが特徴です。1978年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録され、世界で最初に登録された都市のひとつです(エクアドルのキトと同時)。

歴史

  • 7世紀:ヴィスワ族がこの地に定住。
  • 10世紀:ポーランド王国の一部となる。
  • 1038年:ポーランド王国の首都となり、政治・文化の中心地として発展。
  • 14〜16世紀:ヤギェウォ王朝のもとで最盛期を迎え、ヨーロッパ有数の学術都市に成長。
  • 1596年:ワルシャワへ遷都されるが、王室の戴冠式や埋葬は引き続きクラクフで行われる。
  • 18〜19世紀:ポーランド分割によりオーストリア領となるが、文化的影響力を維持。
  • 20世紀:第二次世界大戦ではドイツ占領下に置かれたが、戦災をほぼ免れた。
  • 1978年:ユネスコ世界遺産に登録。

中央広場(Rynek Główny)

特徴

  1. 旧市街(Stare Miasto)

    • 中央広場(Rynek Główny):ヨーロッパ最大級の中世広場(200m×200m)。
    • 織物会館(Sukiennice):かつての交易所で、現在はお土産市場や美術館が入る。
    • 聖マリア教会(Kościół Mariacki):14世紀のゴシック様式の教会で、美しい天井画と有名な「ヴェイト・シュトスの祭壇」がある。
  2. ヴァヴェル城(Wawel Castle)

    • ポーランド王の宮殿と大聖堂 がある歴史的建築群。
    • 14世紀のカジミエシュ3世 の時代に大規模な拡張が行われた。
    • ポーランド王国の歴代王の戴冠式や埋葬が行われた場所。
  3. ユダヤ人地区「カジミエシュ地区」(Kazimierz)

    • かつてユダヤ人が多く住んでいた地区で、シナゴーグやユダヤ文化博物館 が残る。
    • 第二次世界大戦中にナチス・ドイツにより迫害を受け、多くの住民がアウシュビッツに送られた。
    • 映画『シンドラーのリスト』の舞台にもなった場所。
  4. ヤギェウォ大学(Uniwersytet Jagielloński)

    • 1364年にカジミエシュ大王によって創設されたポーランド最古の大学
    • 天文学者コペルニクスが学んだ大学 としても知られる。

ヴァヴェル城(Wawel Castle)

現在の状況

  • ポーランド最大の観光都市 で、国内外からの旅行者が多い。
  • 大学都市としても活気があり、若者の多い文化的な街
  • 歴史的建築物の保存・修復活動が進められている

アクセス

  • 所在地:ポーランド南部
  • 最寄り空港:クラクフ・バリツェ空港(市内まで車で約30分)
  • 交通手段:鉄道、トラム、徒歩(旧市街は歩いて観光可能)

ユダヤ人地区「カジミエシュ地区」(Kazimierz)
まとめ

クラクフは、中世からルネサンス期にかけての歴史が色濃く残るポーランドの文化・歴史都市 であり、壮麗なヴァヴェル城やヨーロッパ最大級の広場を持つ旧市街が魅力です。また、ユダヤ人地区カジミエシュやヤギェウォ大学など、多様な歴史が息づく街として、現在も観光・学問の中心地となっています。


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