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クラクフ歴史地区(Historic Centre of Kraków) |
クラクフ(Kraków)は、ポーランド南部に位置する歴史的な都市 で、かつてのポーランド王国の首都でした。中世から現在に至るまで、政治・経済・文化の中心地として発展し、美しいゴシック、ルネサンス、バロック建築が残る街並みが特徴です。1978年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録され、世界で最初に登録された都市のひとつです(エクアドルのキトと同時)。
歴史
- 7世紀:ヴィスワ族がこの地に定住。
- 10世紀:ポーランド王国の一部となる。
- 1038年:ポーランド王国の首都となり、政治・文化の中心地として発展。
- 14〜16世紀:ヤギェウォ王朝のもとで最盛期を迎え、ヨーロッパ有数の学術都市に成長。
- 1596年:ワルシャワへ遷都されるが、王室の戴冠式や埋葬は引き続きクラクフで行われる。
- 18〜19世紀:ポーランド分割によりオーストリア領となるが、文化的影響力を維持。
- 20世紀:第二次世界大戦ではドイツ占領下に置かれたが、戦災をほぼ免れた。
- 1978年:ユネスコ世界遺産に登録。
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中央広場(Rynek Główny) |
特徴
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旧市街(Stare Miasto)
- 中央広場(Rynek Główny):ヨーロッパ最大級の中世広場(200m×200m)。
- 織物会館(Sukiennice):かつての交易所で、現在はお土産市場や美術館が入る。
- 聖マリア教会(Kościół Mariacki):14世紀のゴシック様式の教会で、美しい天井画と有名な「ヴェイト・シュトスの祭壇」がある。
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ヴァヴェル城(Wawel Castle)
- ポーランド王の宮殿と大聖堂 がある歴史的建築群。
- 14世紀のカジミエシュ3世 の時代に大規模な拡張が行われた。
- ポーランド王国の歴代王の戴冠式や埋葬が行われた場所。
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ユダヤ人地区「カジミエシュ地区」(Kazimierz)
- かつてユダヤ人が多く住んでいた地区で、シナゴーグやユダヤ文化博物館 が残る。
- 第二次世界大戦中にナチス・ドイツにより迫害を受け、多くの住民がアウシュビッツに送られた。
- 映画『シンドラーのリスト』の舞台にもなった場所。
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ヤギェウォ大学(Uniwersytet Jagielloński)
- 1364年にカジミエシュ大王によって創設されたポーランド最古の大学。
- 天文学者コペルニクスが学んだ大学 としても知られる。
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ヴァヴェル城(Wawel Castle) |
現在の状況
- ポーランド最大の観光都市 で、国内外からの旅行者が多い。
- 大学都市としても活気があり、若者の多い文化的な街。
- 歴史的建築物の保存・修復活動が進められている。
アクセス
- 所在地:ポーランド南部
- 最寄り空港:クラクフ・バリツェ空港(市内まで車で約30分)
- 交通手段:鉄道、トラム、徒歩(旧市街は歩いて観光可能)
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ユダヤ人地区「カジミエシュ地区」(Kazimierz) |
クラクフは、中世からルネサンス期にかけての歴史が色濃く残るポーランドの文化・歴史都市 であり、壮麗なヴァヴェル城やヨーロッパ最大級の広場を持つ旧市街が魅力です。また、ユダヤ人地区カジミエシュやヤギェウォ大学など、多様な歴史が息づく街として、現在も観光・学問の中心地となっています。
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