2025年2月16日日曜日

世界遺産:カホキア墳丘群州立史跡(Cahokia Mounds State Historic Site)ー アメリカ

カホキア墳丘群州立史跡(Cahokia Mounds State Historic Site)

カホキア墳丘群(Cahokia Mounds State Historic Site)は、アメリカ合衆国イリノイ州 にある、北米最大の先史時代のネイティブ・アメリカンの都市遺跡 です。10世紀から14世紀にかけて繁栄したミシシッピ文化(Mississippian culture)の中心地であり、数多くの墳丘(マウンド)が残されています。1982年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。

歴史

  • 紀元前700年頃:この地域に狩猟採集民が定住。
  • 紀元800年頃:農耕社会が発展し、ミシシッピ文化が形成される。
  • 1050年〜1250年(最盛期):カホキアは推定2万人以上が住む都市 となり、北米最大のネイティブ・アメリカン都市となる。
  • 14世紀:社会的・環境的要因により衰退し、放棄される。
  • 19世紀:ヨーロッパ系アメリカ人による開拓が進み、遺跡の破壊が始まる。
  • 20世紀以降:史跡として保護され、考古学研究が進む。

モンクス・マウンド(Monks Mound)
特徴

  1. モンクス・マウンド(Monks Mound)

    • カホキア最大の墳丘 で、高さ約30m、基底面積はサッカー場約15面分(約6ヘクタール)。
    • 頂上には統治者や宗教指導者の居住地があったとされる。
  2. ウッドヘンジ(Woodhenge)

    • 巨大な木製の円形構造で、太陽の位置を観測する天文学的な遺構
    • 春分・秋分・夏至・冬至を正確に測定できる。
  3. 100以上の墳丘(マウンド)

    • 祭祀や埋葬のための墳丘 が多数残る。
    • 埋葬墳丘には、貴族や儀式に関連する遺物が発見 されている。
  4. 高度な都市計画

    • 広場、住宅地、堀、交易のための道路 などが整備されていた。
    • メキシコや中央アメリカとの交易 の証拠も発見されている。

現在の状況

  • カホキア墳丘群州立史跡として保護 され、観光や研究の対象となっている。
  • 考古学的発掘が進められ、新たな発見が続いている
  • 都市開発の影響や環境要因による侵食 が懸念され、保護活動が進行中。

アクセス

  • 所在地:アメリカ・イリノイ州(セントルイスの対岸)
  • 最寄り都市:セントルイス(ミズーリ州)から車で約15分
  • 入場料:無料(寄付を推奨)

まとめ

カホキアは、北米最大のネイティブ・アメリカン都市遺跡であり、高度な文明と都市計画を持っていた ことを示す貴重な世界遺産です。モンクス・マウンドやウッドヘンジなどの遺構が、当時の社会構造や宗教的儀式の重要性を伝えており、アメリカ先住民の文化を理解する上で非常に重要な史跡となっています。


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