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エル・ジェムの円形闘技場(Amphitheatre of El Jem) |
エル・ジェムの円形闘技場(Amphitheatre of El Jem)は、チュニジア中部のエル・ジェム(El Jem)にある、古代ローマ時代の円形闘技場(アンフィテアトルム) です。北アフリカ最大級のローマ遺跡 であり、保存状態も非常に良いことから、1979年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。
歴史
- 紀元3世紀(230年頃):ローマ帝国の属州アフリカにあった都市「ティスドリス(Thysdrus)」に建設。
- 5世紀以降:ローマ帝国の衰退とともに使用されなくなる。
- 17世紀:オスマン帝国時代には要塞として利用され、一部が破壊。
- 19世紀:フランス統治時代に本格的な発掘と修復が開始。
- 1979年:ユネスコ世界遺産に登録。
特徴
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ローマ時代の壮大な建築
- 直径約 148m × 122m、高さ約 36m の巨大構造。
- 収容人数は 約3万人 で、コロッセオ(5万人収容)に次ぐ規模。
- 地下には 動物や剣闘士の控室 が残る。
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保存状態の良さ
- 外壁の多くが現存し、観客席や地下構造もよく残っている。
- コロッセオと比べると修復が少なく、よりオリジナルの姿が保たれている。
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剣闘士の戦いや動物競技が行われた場所
- 剣闘士同士の戦いや、猛獣との戦いが催された。
- ローマの娯楽文化を象徴する建築物。
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映画のロケ地としても有名
- 映画「グラディエーター」や「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」などの撮影に使用された。
現在の状況
- 観光地として公開されており、自由に見学可能。
- 毎年「エル・ジェム国際音楽祭」が開催 され、クラシック音楽のコンサートなどが行われる。
- 修復・保存活動が継続中 で、今後も遺跡の保全が重要視されている。
アクセス
- 所在地:チュニジア・エル・ジェム
- 最寄り都市:スファックス(Sfax)やスース(Sousse)から鉄道またはバスでアクセス可能
- 入場料:約12チュニジア・ディナール(約500円)
まとめ
エル・ジェムの円形闘技場は、ローマ帝国が北アフリカに残した最大級の遺跡 であり、保存状態が良いことから、ローマ時代の娯楽文化や建築技術を知る貴重な史跡です。現在もイベントや観光地として活用されており、チュニジアを代表する世界遺産の一つです。
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