2025年2月14日金曜日

世界遺産:エル・ジェムの円形闘技場(Amphitheatre of El Jem)ー チュニジア

 

エル・ジェムの円形闘技場(Amphitheatre of El Jem)

エル・ジェムの円形闘技場(Amphitheatre of El Jem)は、チュニジア中部のエル・ジェム(El Jem)にある、古代ローマ時代の円形闘技場(アンフィテアトルム) です。北アフリカ最大級のローマ遺跡 であり、保存状態も非常に良いことから、1979年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。

歴史

  • 紀元3世紀(230年頃):ローマ帝国の属州アフリカにあった都市「ティスドリス(Thysdrus)」に建設。
  • 5世紀以降:ローマ帝国の衰退とともに使用されなくなる。
  • 17世紀:オスマン帝国時代には要塞として利用され、一部が破壊。
  • 19世紀:フランス統治時代に本格的な発掘と修復が開始。
  • 1979年:ユネスコ世界遺産に登録。

特徴

  1. ローマ時代の壮大な建築

    • 直径約 148m × 122m、高さ約 36m の巨大構造。
    • 収容人数は 約3万人 で、コロッセオ(5万人収容)に次ぐ規模。
    • 地下には 動物や剣闘士の控室 が残る。
  2. 保存状態の良さ

    • 外壁の多くが現存し、観客席や地下構造もよく残っている。
    • コロッセオと比べると修復が少なく、よりオリジナルの姿が保たれている
  3. 剣闘士の戦いや動物競技が行われた場所

    • 剣闘士同士の戦いや、猛獣との戦いが催された。
    • ローマの娯楽文化を象徴する建築物。
  4. 映画のロケ地としても有名

    • 映画「グラディエーター」や「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」などの撮影に使用された。

現在の状況

  • 観光地として公開されており、自由に見学可能。
  • 毎年「エル・ジェム国際音楽祭」が開催 され、クラシック音楽のコンサートなどが行われる。
  • 修復・保存活動が継続中 で、今後も遺跡の保全が重要視されている。

アクセス

  • 所在地:チュニジア・エル・ジェム
  • 最寄り都市:スファックス(Sfax)やスース(Sousse)から鉄道またはバスでアクセス可能
  • 入場料:約12チュニジア・ディナール(約500円)

まとめ

エル・ジェムの円形闘技場は、ローマ帝国が北アフリカに残した最大級の遺跡 であり、保存状態が良いことから、ローマ時代の娯楽文化や建築技術を知る貴重な史跡です。現在もイベントや観光地として活用されており、チュニジアを代表する世界遺産の一つです。


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