2025年2月21日金曜日

世界遺産:ペルセポリス(Persepolis)ー イラン

ペルセポリス(Persepolis)

ペルセポリス(Persepolis, تخت جمشید)は、イラン南部にあるアケメネス朝ペルシア(紀元前6世紀~4世紀)の首都の一つ で、紀元前518年頃にダレイオス1世によって建設されました。ペルシア帝国の壮麗な宮殿都市 であり、精巧な彫刻や建築が特徴です。1979年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。

歴史

  • 紀元前518年:アケメネス朝の王ダレイオス1世が宮殿都市として建設開始。
  • 紀元前486年~330年:クセルクセス1世やアルタクセルクセス1世が拡張し、帝国の中心となる。
  • 紀元前330年:アレクサンドロス大王によって征服され、宮殿が焼き払われる。
  • 20世紀以降:発掘が進み、ペルシア帝国の遺産として世界的に評価される。

アパダーナ宮殿(Apadana Palace)

特徴

  1. 広大な宮殿跡と壮麗な建築

    • アパダーナ宮殿(Apadana Palace):ダレイオス1世が建設した壮大な謁見の間。
    • 百柱の間(Hall of Hundred Columns):王の謁見や儀式が行われた大広間。
    • クセルクセスの門(Gate of All Nations):ペルシア帝国の多民族国家を象徴する玄関口。
  2. 精巧なレリーフと芸術

    • 宮殿の壁面には、ペルシア帝国に属する民族が貢物を捧げる様子 が精巧に刻まれている。
    • ライオンと牡牛の戦いの彫刻 は、力と権威を象徴する代表的なレリーフ。
  3. アケメネス朝の権力と多文化性

    • 帝国はエジプト、バビロニア、ギリシャ、インドなど広範囲にわたり、多文化が融合した建築・芸術が特徴。
    • 各地の職人が集められ、異なる文化の要素が宮殿のデザインに組み込まれている。
  4. 破壊と再評価

    • アレクサンドロス大王による破壊後、長らく廃墟となる。
    • 20世紀に本格的な発掘が行われ、世界遺産として認識される。

百柱の間(Hall of Hundred Columns)

現在の状況

  • 観光地として整備され、多くの旅行者が訪れる。
  • 遺跡の風化が進行中 で、保存活動が求められている。
  • 政治・宗教的な要因により、遺跡の保護に課題がある(過去には破壊の危機も)。

アクセス

  • 所在地:イラン・ファールス州(シーラーズの北東約60km)
  • 最寄り都市:シーラーズ(Shiraz)から車で約1時間
  • 入場料:約5~10米ドル(外国人向け料金)

クセルクセスの門(Gate of All Nations)

まとめ

ペルセポリスは、アケメネス朝ペルシアの栄華を象徴する壮麗な宮殿都市 であり、その建築とレリーフは当時の権力と多文化共存の歴史を今に伝えています。アレクサンドロス大王による破壊後もその遺産は生き続け、現在は世界的に重要な考古学遺跡として保存・研究が進められています。


0 件のコメント: