2025年2月12日水曜日

世界遺産:メサ・ヴェルデ国立公園(Mesa Verde National Park)ー アメリカ

メサ・ヴェルデ国立公園(Mesa Verde National Park)

メサ・ヴェルデ国立公園(Mesa Verde National Park)は、アメリカ・コロラド州南西部 にある、先住民アナサジ族(アナサジ文化)の崖上・崖下住居跡が残る遺跡群 です。最も有名な「クリフ・パレス(Cliff Palace)」をはじめとする約600の住居跡があり、先史時代の北米先住民の生活を伝える貴重な遺跡です。1978年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。

歴史

  • 紀元前600年頃:最初の農耕民がメサ・ヴェルデ地域に定住。
  • 紀元550年頃:アナサジ族(アナサジ文化)が台地の上に村を築く。
  • 紀元1200年頃:崖下に住居を建設し、メサ・ヴェルデ文化が最盛期を迎える。
  • 紀元1300年頃:気候変動や社会不安の影響で、アナサジ族はこの地を放棄し、南へ移動。
  • 19世紀後半:遺跡が発見され、考古学的調査が進む。
  • 1906年:アメリカ初の文化遺産保護のための国立公園として設立。
  • 1978年:ユネスコ世界遺産に登録。

スプルース・ツリー・ハウス(Spruce Tree House)
特徴

  1. アナサジ族の高度な建築技術

    • 崖のくぼみを利用して石造りの住居(クリフ・ドウェリング) を建設。
    • 断崖絶壁に張り付くような構造 で、攻撃を避けつつ、安全な生活を確保。
    • 多階層の住居群 には、貯蔵室や儀式用の「キヴァ(Kiva)」が存在。
  2. 代表的な遺跡

    • クリフ・パレス(Cliff Palace)
      • メサ・ヴェルデで最大の崖下住居(150部屋、23のキヴァ)。
      • 居住者は100人以上と推定。
    • スプルース・ツリー・ハウス(Spruce Tree House)
      • 公開されている遺跡の一つで、保存状態が非常に良い。
    • ロング・ハウス(Long House)
      • 住居とともに公共広場がある大規模な遺跡。
  3. 考古学的価値

    • 先住民の農耕文化、建築技術、宗教儀式の発展が分かる重要な遺跡。
    • 日干しレンガ(アドベ)や砂岩を使った建築技術 は、現在のプエブロ族の文化にも影響を与えている。

ロング・ハウス(Long House)

現在の状況

  • 国立公園として保護 され、観光客が遺跡を見学可能。
  • 気候変動と侵食の影響 で一部の遺跡は崩壊の危機にあり、保存活動が進められている。
  • 観光ツアー では、レンジャーガイドが歴史を解説しながら遺跡を案内。

アクセス

  • 所在地:アメリカ・コロラド州南西部
  • 最寄り都市:コルテス(Cortez)またはデュランゴ(Durango)
  • 入場料:国立公園の入場料(車両1台につき約30ドル)
  • 開館時間:季節によって異なる(冬季は一部の遺跡が閉鎖)

まとめ

メサ・ヴェルデ国立公園は、北米先住民の高度な建築技術と生活様式を伝える貴重な遺跡 です。断崖絶壁に築かれた住居群は、アメリカ先住民の歴史を知る上で欠かせない文化遺産であり、現在も多くの観光客や研究者が訪れています。


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