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イラン縦貫鉄道(Trans-Iranian Railway, راهآهن سراسری ایران) |
イラン縦貫鉄道(Trans-Iranian Railway, راهآهن سراسری ایران)は、イラン北部のカスピ海沿岸と南部のペルシャ湾を結ぶ鉄道路線 で、1930年代に建設された壮大な鉄道インフラです。この鉄道は険しい山岳地帯、砂漠、川を横断し、多くのトンネルや橋が建設されるなど、技術的にも優れた路線です。2021年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。
歴史
- 1927年:イラン国王レザー・シャー・パフラヴィーの指示により建設開始。
- 1938年:総延長 1,394km の鉄道が完成。
- 第二次世界大戦中:連合国が軍需物資の輸送ルートとして利用。
- 21世紀:近代化が進められ、世界遺産に登録。
特徴
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イランの地理を貫く壮大な鉄道
- 北のカスピ海沿岸(バンダレ・トルキャマン) から南のペルシャ湾(バンダレ・エマーム・ホメイニー) までを結ぶ。
- 標高差が広く、険しい山岳地帯や砂漠地帯を通過。
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技術的に優れた建設
- 174の大橋、186の小橋、224のトンネル を建設し、地形の課題を克服。
- 特に、ヴェルスカ橋(Veresk Bridge, 110m) は鉄道工学の傑作とされる。
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外国の資金や技術を使わずに完成
- 鉄道建設はイラン政府の資金 のみで行われ、外国企業の影響を受けずに建設された。
- 当時のイランにとって、自立した近代化の象徴となった。
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経済・軍事の重要路線
- 貿易や物資輸送の重要なインフラとして発展。
- 第二次世界大戦中には、連合国軍がソ連への軍需物資輸送 に活用。
現在の状況
- 現在もイランの主要鉄道網の一部として運行中。
- 駅や橋、トンネルの多くが歴史的建造物として保護されている。
- 近代化と高速鉄道の導入が進められている。
アクセス
- 路線:テヘラン、バンダレ・エマーム・ホメイニー、マシュハドなど主要都市を結ぶ。
- 利用方法:現地の鉄道駅でチケット購入可能。
まとめ
イラン縦貫鉄道は、厳しい地形を克服した近代技術の結晶 であり、イランの独立と発展を象徴する歴史的鉄道です。今日でも経済・交通の重要な役割を果たしており、その技術的・文化的価値が高く評価されています。
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