2025年2月4日火曜日

世界遺産:バハラ城塞(Bahla Fort)ーオマーン

 

バハラ城塞(Bahla Fort)

バハラ城塞(Bahla Fort)は、オマーンの内陸部、バハラの町に位置する要塞で、ユネスコ世界遺産(文化遺産)に登録されている歴史的建造物です。バハラは、オマーンの有力な部族である バヌ・ナブハーン族(Banū Nabhān)が支配していた地域で、14世紀頃に繁栄しました。バハラ城塞は、この部族が権力を誇示するために築いた城であり、オマーンの伝統的な泥レンガ建築の代表例です。

歴史

  • 紀元前3世紀~後7世紀:この地域は、交易と農業で発展していた。
  • 12世紀~15世紀:バヌ・ナブハーン族がオマーンを支配し、バハラ城塞を拡張。
  • 17世紀:ヤアーリバ朝がオマーンを統治し、要塞をさらに強化。
  • 1987年:ユネスコ世界遺産に登録されるが、損傷が激しく「危機遺産リスト」にも追加される。
  • 2004年:大規模な修復が進められ、現在では一般公開されている。

特徴

  1. 伝統的な泥レンガ建築

    • 城塞の主要部分は 日干しレンガ(泥とワラを混ぜて乾燥させた建材)で作られている。
    • 厚い壁と高い塔が特徴的で、砂漠地帯の厳しい気候に適応した構造となっている。
  2. 巨大な要塞

    • 城壁の高さは 約12メートル、長さは約 7km に及ぶ。
    • 内部には宮殿、貯水池、モスク、倉庫、監視塔がある。
  3. 高度な防衛システム

    • 迷路のような通路や秘密の通路があり、外敵の侵入を防ぐ仕組みが施されている。
    • 近くの山々に広がる ファラジ(Falaj)と呼ばれる灌漑水路 があり、持続的な水供給が可能だった。
  4. バハラの町と共存

    • 城塞の周囲には、昔ながらのスーク(市場)や伝統的な家屋が点在し、オマーンの歴史的な町並みを今に伝えている。
    • 陶器や銀細工の工房も多く、手工芸品が有名。

アクセス

  • 所在地:オマーン、バハラ(首都マスカットから約180km)
  • アクセス:マスカットから車で約2時間半
  • 開館時間:通常は午前8時~午後4時(土曜日は午前11時まで)
  • 入場料:大人1オマーン・リアル(約2.5ドル)

まとめ

バハラ城塞は、オマーンの歴史と伝統的な建築技術を象徴する要塞であり、かつての部族国家の繁栄を今に伝えています。オマーンの文化や歴史を学ぶ上で重要な遺産であり、周辺の観光スポットと併せて訪れる価値のある場所です。


0 件のコメント: