2025年2月6日木曜日

世界遺産:タンロン遺跡(Thăng Long Imperial Citadel)ー ベトナム

タンロン皇城, Thăng Long Imperial Citadel

タンロン遺跡(タンロン皇城, Thăng Long Imperial Citadel)は、ベトナムの首都ハノイ にある歴史的な遺跡で、かつてベトナムの政治・文化・軍事の中心地でした。11世紀の李朝(Lý dynasty) から19世紀の阮朝(Nguyễn dynasty)まで、約800年間にわたって王都として機能しました。2010年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。

歴史

  • 1010年:李太祖(Lý Thái Tổ)がタンロン(昇龍)を首都として建設。
  • 11世紀〜15世紀:李朝、陳朝(Trần dynasty)、黎朝(Lê dynasty)などが統治し、王宮が発展。
  • 19世紀(1802年):阮朝がフエに遷都し、ハノイは政治の中心ではなくなる。
  • 20世紀:フランス統治時代には一部が破壊され、戦後は軍の施設として使用される。
  • 21世紀:発掘調査が進み、タンロン遺跡が歴史的価値の高い遺産であることが証明される。

昇龍門(Đoan Môn)

特徴

  1. ハノイの歴史的中心地

    • 王宮の遺構が発掘され、ベトナム王朝時代の繁栄 を示す重要な証拠となっている。
    • 1000年以上にわたる政治の中心地であったため、多くの文化遺産が残されている。
  2. 発掘された宮殿跡と遺物

    • 陶器、瓦、青銅器などの貴重な出土品が多数見つかっている。
    • 中国、チャンパ、日本 などとの交流の証拠が残る。
  3. 歴史的建築物

    • 昇龍門(Đoan Môn):皇城の正門として使用され、現在も保存されている。
    • 旗の塔(Cột cờ Hà Nội):19世紀に建てられた高さ33.4メートルの塔で、ハノイの象徴的な建築。
    • 皇城の地下遺跡:ベトナム戦争時には政府の防空施設としても使用されていた。
  4. 多文化の影響

    • ベトナム王朝の伝統的な建築に加え、中国、フランス、東南アジアの影響 が見られる。
    • 李朝の影響を受けた仏教建築や、中国式の宮殿の跡が確認されている。

旗の塔(Cột cờ Hà Nội)

現在の状況

  • ハノイ中心部にあり、一般公開されている。
  • 2000年代以降、遺跡の発掘と保護が進められている。
  • 観光地としても人気があり、歴史好きには必見のスポット。

アクセス

  • 所在地:ベトナム・ハノイ
  • 最寄り駅:ハノイ旧市街からタクシーで約10分
  • 開館時間:8:00〜17:00
  • 入場料:約30,000VND(約1.5ドル)

まとめ

タンロン遺跡は、ベトナムの歴史と文化を象徴する貴重な遺産であり、1000年以上にわたり王都として機能してきた重要な場所です。現在も発掘調査が続き、新たな発見が期待されている歴史的価値の高い遺跡です。ハノイを訪れる際には、ぜひ立ち寄るべき観光スポットの一つです。


0 件のコメント: