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タンロン皇城, Thăng Long Imperial Citadel |
タンロン遺跡(タンロン皇城, Thăng Long Imperial Citadel)は、ベトナムの首都ハノイ にある歴史的な遺跡で、かつてベトナムの政治・文化・軍事の中心地でした。11世紀の李朝(Lý dynasty) から19世紀の阮朝(Nguyễn dynasty)まで、約800年間にわたって王都として機能しました。2010年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。
歴史
- 1010年:李太祖(Lý Thái Tổ)がタンロン(昇龍)を首都として建設。
- 11世紀〜15世紀:李朝、陳朝(Trần dynasty)、黎朝(Lê dynasty)などが統治し、王宮が発展。
- 19世紀(1802年):阮朝がフエに遷都し、ハノイは政治の中心ではなくなる。
- 20世紀:フランス統治時代には一部が破壊され、戦後は軍の施設として使用される。
- 21世紀:発掘調査が進み、タンロン遺跡が歴史的価値の高い遺産であることが証明される。
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昇龍門(Đoan Môn) |
特徴
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ハノイの歴史的中心地
- 王宮の遺構が発掘され、ベトナム王朝時代の繁栄 を示す重要な証拠となっている。
- 1000年以上にわたる政治の中心地であったため、多くの文化遺産が残されている。
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発掘された宮殿跡と遺物
- 陶器、瓦、青銅器などの貴重な出土品が多数見つかっている。
- 中国、チャンパ、日本 などとの交流の証拠が残る。
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歴史的建築物
- 昇龍門(Đoan Môn):皇城の正門として使用され、現在も保存されている。
- 旗の塔(Cột cờ Hà Nội):19世紀に建てられた高さ33.4メートルの塔で、ハノイの象徴的な建築。
- 皇城の地下遺跡:ベトナム戦争時には政府の防空施設としても使用されていた。
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多文化の影響
- ベトナム王朝の伝統的な建築に加え、中国、フランス、東南アジアの影響 が見られる。
- 李朝の影響を受けた仏教建築や、中国式の宮殿の跡が確認されている。
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旗の塔(Cột cờ Hà Nội) |
現在の状況
- ハノイ中心部にあり、一般公開されている。
- 2000年代以降、遺跡の発掘と保護が進められている。
- 観光地としても人気があり、歴史好きには必見のスポット。
アクセス
- 所在地:ベトナム・ハノイ
- 最寄り駅:ハノイ旧市街からタクシーで約10分
- 開館時間:8:00〜17:00
- 入場料:約30,000VND(約1.5ドル)
まとめ
タンロン遺跡は、ベトナムの歴史と文化を象徴する貴重な遺産であり、1000年以上にわたり王都として機能してきた重要な場所です。現在も発掘調査が続き、新たな発見が期待されている歴史的価値の高い遺跡です。ハノイを訪れる際には、ぜひ立ち寄るべき観光スポットの一つです。
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