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ラスコー洞窟(Lascaux Cave, Grotte de Lascaux) |
ラスコー洞窟(Lascaux Cave, Grotte de Lascaux)は、フランス南西部のドルドーニュ県 にある旧石器時代の洞窟壁画遺跡で、約 17,000年前(後期旧石器時代) に描かれたとされる動物の壁画が発見されています。「先史時代のシスティーナ礼拝堂」とも称され、先史時代の芸術の最高傑作の一つとされています。1979年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。
歴史
- 1940年:地元の少年たちによって偶然発見される。
- 1948年:一般公開が始まり、多くの観光客が訪れる。
- 1963年:壁画の劣化を防ぐため、洞窟を閉鎖。
- 1983年:「ラスコーⅡ(Lascaux II)」として精密なレプリカを公開。
- 2012年:「ラスコーⅢ(Lascaux III)」として、世界各国で巡回展示を開始。
- 2016年:「ラスコーⅣ(Lascaux IV)」が完成し、最新の技術で完全再現された洞窟の展示施設がオープン。
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軸の間(Axial Gallery) |
特徴
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壁画の芸術的価値
- 洞窟内の壁画は、主にウシ、ウマ、シカ、バイソン などの動物が描かれている。
- 赤、黒、黄、褐色の天然顔料(酸化鉄や炭)を使用し、立体感や動きを表現。
- 約600点の壁画と1,500点以上の彫刻 が確認されている。
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代表的な壁画エリア
- 大広間(Great Hall of the Bulls):巨大なウシ(オーロックス)が描かれた最も有名なエリア。
- 軸の間(Axial Gallery):多くの馬が描かれた区画。
- 井戸の場面(Shaft Scene):槍を持った人間とバイソンが描かれた希少なシーン。
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先史時代の宗教や狩猟文化を示す
- なぜこれほど精巧な壁画が描かれたのかは不明だが、「狩猟の成功を祈る儀式」や「シャーマニズム」と関連があると考えられている。
- 人間の姿はほとんど描かれておらず、動物が中心となっているのが特徴。
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井戸の場面(Shaft Scene) |
現在の状況
- 洞窟内部の湿度やカビの影響 で本物の壁画の保存が深刻な課題となっている。
- オリジナルの洞窟は非公開だが、ラスコーⅡやラスコーⅣの施設で壁画を忠実に再現した展示が見られる。
アクセス
- 所在地:フランス・ドルドーニュ県モンティニャック(Montignac)
- 最寄り都市:ボルドーから車で約2時間
- 見学場所:「ラスコーⅣ(Lascaux IV)」で再現洞窟を見学可能
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ラスコーⅣ(Lascaux IV) |
まとめ
ラスコー洞窟は、人類最古級の芸術 を残す重要な遺跡であり、先史時代の人々の精神世界や文化を知る上で非常に貴重な存在です。オリジナルの洞窟は閉鎖されているものの、精密なレプリカ施設 でその驚くべき壁画を体験することができます。
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