2025年2月14日金曜日

世界遺産:ウルネスの木造教会(Urnes Stave Church)ー ノルウェー

ウルネスの木造教会(Urnes Stave Church)

ウルネスの木造教会(Urnes Stave Church, Urnes stavkirke)は、ノルウェー西部のソグン・オ・フィヨーラネ県 にある、現存する最古の**スターヴ教会(木造の中世キリスト教会)**です。北欧独特の木造建築技法と、ヴァイキング文化とキリスト教の融合を示す装飾が特徴で、1979年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。

歴史

  • 11世紀後半:最初の教会が建設されたと推定。
  • 12世紀頃(1130年頃):現在の教会が建てられ、古い教会の部材が再利用される。
  • 19世紀:修復が行われ、保存状態が向上。
  • 1979年:世界遺産に登録され、ノルウェーを代表する文化遺産の一つとなる。

特徴

  1. スターヴ教会(木造教会)とは?

    • スターヴ(Stave)」とは、ノルウェー語で「柱」を意味し、木製の柱を組み合わせて建築された教会 のこと。
    • ヴァイキング時代の建築技術 が取り入れられており、木材を組み合わせる高度な技術が用いられている。
  2. ヴァイキング文化とキリスト教の融合

    • 外壁には動物や植物をモチーフにしたヴァイキング風の装飾 が施されている。
    • 特に、入り口周辺の彫刻は「ウルネス様式」と呼ばれ、ノルウェー美術の代表的なスタイルとなっている。
    • キリスト教が広がる過程で、異教的なデザインと融合した点が興味深い。
  3. 建築的特徴

    • 急勾配の屋根:積雪の多いノルウェーの気候に適応。
    • 堅牢な木材の使用:オーク材が主に使用され、12世紀の建物が現在も良好な状態で残る。
    • 装飾が豊富な柱やアーチ:内装にもヴァイキング時代の伝統が残る。
  4. ノルウェーに現存する最古の木造教会

    • ノルウェーには約28のスターヴ教会 が現存するが、ウルネスの木造教会は最も古く、保存状態も良好。
    • スターヴ教会の中でも特に芸術的価値が高いと評価されている。

現在の状況

  • 国立文化財として保護 され、修復・保存活動が継続。
  • 観光スポットとしても人気 で、夏季には内部見学ツアーが開催される。

アクセス

  • 所在地:ノルウェー西部・ソグン・オ・フィヨーラネ県
  • 最寄り都市:ソグンダール(Sogndal)からフェリーと車で約2時間
  • 入場料:約100~150ノルウェークローネ(季節による変動あり)

まとめ

ウルネスの木造教会は、ヴァイキング文化とキリスト教建築が融合した世界最古級のスターヴ教会 であり、ノルウェーの歴史と芸術を象徴する貴重な遺産です。木造の教会建築としては世界的にも珍しく、その優れた保存状態と美しい装飾が、多くの訪問者を魅了し続けています。


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