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チャンキーヨ(Chankillo Archaeoastronomical Complex) |
チャンキーヨ(Chankillo)は、ペルー北部のカスマ=セチュラ盆地にある先コロンブス期(インカ以前)の天文学的遺跡 で、紀元前4世紀ごろに建設されたとされています。世界最古の天文観測施設の一つ であり、2021年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。
歴史
- 紀元前4世紀~1世紀:チャンキーヨの天文観測施設が建設され、使用される。
- 紀元後1世紀以降:遺跡は放棄され、風化していく。
- 20世紀以降:考古学的調査が進み、天文観測機能を持つ遺跡であることが判明。
- 2021年:世界遺産に登録される。
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13の石造りの塔 |
特徴
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「13の塔」からなる天文観測施設
- 東西に並ぶ13の石造りの塔 が、太陽の動きに合わせて設置されている。
- 夏至・冬至・春分・秋分などの暦を測定する機能 を持ち、太陽の位置によって季節を判定できる。
- 世界最古の太陽カレンダーの一つ と考えられている。
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祭祀や防御のための建造物
- 「要塞」 と呼ばれる建築群があり、儀式や天文観測と関連する可能性がある。
- 太陽崇拝の儀式が行われていたと推測 される。
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天文学と農業の関係
- 太陽の観測により、農業暦を作成し、種まきや収穫の時期を決定していたと考えられる。
- インカ文明以前の高度な天文学的知識を示す貴重な証拠 となっている。
現在の状況
- 考古学的調査と保存活動が進められ、遺跡の保護が強化されている。
- 観光地として注目されつつあり、ペルー政府による観光開発が進行中。
- 風化が進んでおり、今後の保存対策が重要視されている。
アクセス
- 所在地:ペルー・アンカシュ県
- 最寄り都市:カスマ(Casma)から約15km
- 移動手段:リマからカスマまでバスで約6時間、その後車で約30分
まとめ
チャンキーヨは、世界最古級の天文学的観測施設を持つ遺跡で、先コロンブス期の高度な天文学の知識を示す貴重な文化遺産 です。13の塔を利用した太陽観測の仕組みは、後のインカ文明にも影響を与えた可能性があり、南米の天文学的遺跡として極めて重要な遺産とされています。
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