オカバンゴ・デルタ(Okavango Delta)は、ボツワナ北部 に位置する世界最大級の内陸デルタで、アフリカの中でも特にユニークな生態系を持つ湿地帯です。オカバンゴ川がカラハリ砂漠に流れ込み、年間を通じて広大な湿地を形成しています。通常、デルタ(河口)は海へ流れ込むものですが、オカバンゴ・デルタは海に流れず、砂漠の中に広がる珍しい「内陸デルタ」であることが特徴です。2014年にユネスコ世界遺産(自然遺産) に登録されました。
地理・生態系
- 面積:約 15,000㎢~22,000㎢(季節によって変動)
- 水源:アンゴラの高地に降った雨がオカバンゴ川となり、ボツワナのカラハリ砂漠に流れ込む
- 水の流入時期:毎年 5月~10月(乾季)にオカバンゴ川の水がデルタを満たし、生命があふれる
- 気候:熱帯性気候で、雨季(11月~4月)と乾季(5月~10月)がある
特徴
-
世界最大の内陸デルタ
- 通常、河川は海に流れ込むが、オカバンゴ川はカラハリ砂漠の中に広がり、湖や湿地を形成する。
- 「水のない砂漠に現れる奇跡のオアシス」と呼ばれる。
-
豊かな生態系
- 約1,000種以上の植物、480種以上の鳥類、130種以上の哺乳類 が生息。
- ビッグファイブ(ライオン、ゾウ、サイ、ヒョウ、バッファロー) を含む多くの野生動物が見られる。
-
野生動物の楽園
- アフリカゾウ、ライオン、チーター、リカオン(アフリカン・ワイルドドッグ)、カバ、ワニ などが生息。
- 特に乾季には動物が水を求めて集まり、絶好のサファリ体験ができる。
-
モコロ・サファリ(Mokoro Safari)
- 伝統的な手漕ぎカヌー「モコロ(Mokoro)」に乗り、静かに水上を進むサファリツアーが人気。
- ゾウやカバを間近で観察できる。
-
ラムサール条約登録地(湿地の保全)
- 1996年に「ラムサール条約(湿地保護条約)」にも登録され、世界的に重要な湿地帯として保護されている。
現在の状況
- エコツーリズムの発展:持続可能な観光が推進されており、高級ロッジやキャンプサイトが整備されている。
- 環境変化の影響:気候変動により水量が減少する可能性が指摘されている。
アクセス
- 所在地:ボツワナ北部
- 最寄り都市:マウン(Maun)またはカサネ(Kasane)
- アクセス方法:
- マウン空港から小型飛行機でデルタ内のロッジへ移動
- 4WDサファリツアーやモコロ(カヌー)で探索
まとめ
オカバンゴ・デルタは、砂漠の中に奇跡的に広がる生命のオアシスであり、アフリカの壮大な自然と野生動物が楽しめるユニークな場所です。世界でも珍しい内陸デルタとして、生態系の多様性が評価され、世界遺産として保護されています。サファリやカヌー体験を通じて、手つかずの自然を満喫できる貴重なエリアです。
0 件のコメント:
コメントを投稿