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ウブス・ヌール盆地(Uvs Lake Basin, Увс нуурын хотгор) |
ウブス・ヌール盆地(Uvs Lake Basin, Увс нуурын хотгор)は、モンゴルとロシアの国境に広がる広大な自然保護区 で、アジア内陸の乾燥地帯にありながら多様な生態系が共存する貴重な地域です。湖、砂漠、草原、ツンドラ、氷河などが混在し、多くの野生動物が生息することから、2003年にユネスコ世界遺産(自然遺産) に登録されました。
地理・環境
- 所在地:モンゴル西部およびロシア南部
- 面積:約 10,688㎢(モンゴル側が大部分)
- 気候:極端な大陸性気候(冬は-50℃、夏は40℃以上になることも)
- 特徴:湖、湿地、ツンドラ、山岳地帯、ステップ、砂漠が共存する多様な環境
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ウブス・ヌール湖(Uvs Lake) |
特徴
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ウブス・ヌール湖(Uvs Lake)
- モンゴル最大の塩水湖(面積約3,350㎢)。
- 湖には流れ込む川はあるが、流れ出る河川がないため、水が蒸発することで塩分濃度が高くなる。
- 渡り鳥の重要な生息地で、多くの水鳥が集まる。
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生物多様性が豊か
- 野生動物:ユキヒョウ、アイベックス(野生ヤギ)、モウコノロバ、シベリアイタチなど。
- 鳥類:ハクチョウ、ツル、ワシ、フラミンゴなど、渡り鳥の重要な繁殖地。
- 植物:草原やツンドラには耐寒性の植物が生育し、砂漠地帯には低木や塩生植物が広がる。
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多様な自然環境が共存
- ゴビ砂漠の北端 から シベリアのツンドラ まで、幅広い気候帯が見られる。
- ステップ(草原)、湿地、氷河のある山岳地帯が共存し、独特な景観を形成。
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遊牧民文化と歴史
- モンゴルの遊牧民がこの地域で暮らし、伝統的なゲル(移動式住居)が見られる。
- 紀元前の岩絵や古代の墓も発見されており、歴史的にも重要な地域。
現在の状況
- 自然保護区として厳格に管理 され、開発が制限されている。
- エコツーリズムが発展 し、モンゴル文化と自然を体験できるプログラムが提供されている。
- 気候変動の影響 で湖の水量が変化し、生態系の変動が懸念されている。
アクセス
- 最寄り都市:モンゴルのウランバートルから国内線でウブス県(Uvs Province)へ移動し、車でアクセス。
- 観光手段:ツアーガイド付きのエコツアーが推奨される。
まとめ
ウブス・ヌール盆地は、砂漠、草原、ツンドラ、湖が共存するアジアで最も多様な自然環境を持つ地域の一つです。野生動物の楽園であり、渡り鳥の重要な生息地としても知られています。モンゴルの遊牧文化とも深く結びついたこの地域は、壮大な自然と歴史が融合する世界遺産として、今後も保護と観光のバランスが求められています。
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