2025年2月12日水曜日

世界遺産:ヴィエリチカ岩塩坑(Wieliczka Salt Mine)ー ポーランド

 


ヴィエリチカ岩塩坑(Wieliczka Salt Mine, Kopalnia Soli Wieliczka)は、ポーランド南部のクラクフ近郊 にある世界最古級の岩塩採掘場で、地下300メートルに広がる壮大な地下都市 です。700年以上の歴史を持ち、塩の採掘場でありながら、礼拝堂、彫刻、湖が広がるユニークな観光地 でもあります。1978年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。

歴史

  • 13世紀(約800年前):ポーランド王国のカジミェシュ大王時代に本格的な採掘が始まる。
  • 14世紀~17世紀:ポーランド王室の経済を支える重要な資源として発展。
  • 19世紀~20世紀:近代化が進み、観光地としての価値も高まる。
  • 1978年:ユネスコ世界遺産に登録。
  • 1996年:商業採掘が終了し、保存と観光が主な目的となる。

聖キンガ礼拝堂(Chapel of St. Kinga)

特徴

  1. 広大な地下空間

    • 全長約300km、地下深さ約327m に及ぶ巨大な岩塩坑。
    • 訪問者が見学できるのはそのうち約 3.5km のみ。
  2. 聖キンガ礼拝堂(Chapel of St. Kinga)

    • 世界最大の地下礼拝堂(高さ12m、長さ54m)
    • 天井、壁、シャンデリアまで全てが でできている。
    • 聖書のシーンを描いた塩の彫刻やレリーフが装飾されている。
  3. 塩の湖と彫刻

    • 地下には複数の湖があり、幻想的な雰囲気を演出。
    • 採掘された塩を使って彫られた**ポーランドの偉人(コペルニクスやヨハネ・パウロ2世)**の像が点在。
  4. 鉱山労働者の歴史と伝説

    • 多くの坑道が「鉱夫の信仰心」に基づいて装飾され、神聖な雰囲気を持つ。
    • 聖キンガの伝説:ハンガリー王女キンガがポーランド王に嫁ぐ際、婚約の証としてハンガリーの塩鉱山の指輪を投げ込み、その指輪がヴィエリチカの塩坑から発見されたという伝説が残る。


現在の状況

  • 年間100万人以上が訪れる観光名所 で、ポーランドを代表する世界遺産。
  • 坑内の温度は年間を通じて約14~16℃ で一定。
  • 保存・修復作業が継続的に行われており、観光客向けの安全対策も整備されている。

アクセス

  • 所在地:ポーランド・クラクフ近郊(ヴィエリチカ)
  • 最寄り都市:クラクフ(Kraków)から車または電車で約30分
  • 入場料:観光ツアーは約30~40ユーロ(ガイド付き見学が必須)

まとめ

ヴィエリチカ岩塩坑は、単なる採掘場ではなく、地下の壮大な礼拝堂や塩の彫刻が広がる神秘的な世界 です。800年以上の歴史を持つこの場所は、ポーランド文化と信仰が息づく世界遺産として、多くの観光客を魅了し続けています。


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