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アルベロベッロのトゥルッリ(Trulli of Alberobello) |
アルベロベッロ(Alberobello)は、イタリア南部プーリア州 にある歴史的な町で、特徴的な白い円筒形の建物「トゥルッリ(Trulli)」が立ち並ぶ風景で知られています。トゥルッリは、石灰岩を積み上げて作られた先端が円錐形の伝統的な石造りの家 で、17世紀頃から建設されました。その独特の建築技術と歴史的価値が評価され、1996年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。
歴史
- 14世紀:この地域でトゥルッリの原型となる建築が生まれる。
- 17世紀:ナポリ王国の課税を逃れるため、住民が「すぐに解体できる家」としてトゥルッリを建設。
- 18世紀~19世紀:定住化が進み、トゥルッリの町が形成される。
- 20世紀以降:観光地として注目され、保存活動が進む。
- 1996年:ユネスコ世界遺産に登録される。
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リオーネ・モンティ地区 |
特徴
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独特な建築様式(トゥルッリ)
- 石灰岩を積み上げた円筒形の白壁に、円錐形の屋根が特徴。
- モルタルを使わず に石を積む「ドライ・ストーン技法」で建設され、簡単に解体可能な構造になっている。
- 屋根の上には、魔除けや宗教的なシンボルを描いた印が残されている。
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町全体がトゥルッリで統一
- リオーネ・モンティ地区(Rione Monti):観光客向けのトゥルッリが集まるエリア。
- アイア・ピッコラ地区(Aia Piccola):現在も人々が住む歴史的な住宅地。
- サン・アントニオ教会(Chiesa di Sant'Antonio):トゥルッリの形をした珍しい教会。
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ナポリ王国の税制回避策としての歴史
- 17世紀、ナポリ王国は建物に対して課税を行っていた。
- そのため、住民は簡単に取り壊せるトゥルッリを建て、税金逃れの手段とした。
- 結果として、アルベロベッロの町にはトゥルッリが密集する独特の景観が生まれた。
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現存する最も古いトゥルッリ
- トゥルッロ・ソヴラーノ(Trullo Sovrano):町で唯一2階建てのトゥルッリで、現在は博物館として公開されている。
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サン・アントニオ教会(Chiesa di Sant'Antonio) |
現在の状況
- 世界遺産として保護され、観光地として人気がある。
- トゥルッリはレストラン、ショップ、宿泊施設として活用されている。
- 一部の建物は改修されているが、伝統的な建築様式が守られている。
アクセス
- 所在地:イタリア・プーリア州アルベロベッロ
- 最寄り空港:バーリ空港(Bari Airport)から車で約1時間
- 入場料:町の散策は無料(博物館や内部見学は有料)
まとめ
アルベロベッロのトゥルッリは、イタリアでも珍しい伝統的な石造りの家屋が集まるユニークな町です。歴史的な背景や独特の建築技法に加え、フォトジェニックな街並みが観光客に人気です。現在も人が住むエリアがあり、伝統と現代が共存する貴重な文化遺産です。
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