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ファジル・ゲビ(Fasil Ghebbi) |
ファジル・ゲビ(Fasil Ghebbi, ፋሲል ግቢ)は、エチオピア北部ゴンダールにある17世紀の王宮群 で、エチオピア帝国の皇帝ファシラダス(Fasilides, 在位:1632~1667年)が築いた壮麗な宮殿と要塞都市です。ゴンダール様式と呼ばれるヨーロッパ、インド、アフリカの建築様式が融合した独特な建築群 を持ち、1979年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。
歴史
- 1636年:エチオピア皇帝ファシラダスがゴンダールを首都に定め、王宮を建設。
- 17~18世紀:ゴンダールはエチオピアの政治・文化・宗教の中心地として栄える。
- 19世紀:帝国の首都が移り、宮殿群は徐々に放棄される。
- 20世紀以降:修復と保存活動が進み、観光地として整備。
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ファシラダス宮殿(Fasilides Palace) |
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王宮群と要塞都市
- ファシラダス宮殿(Fasilides Palace):ゴンダール様式の中心となる建築で、要塞のような城壁と塔を持つ。
- イヤス1世宮殿(Iyasu I’s Palace):17世紀末の最も豪華な宮殿。
- バクラ・ギヨルギスの図書館:皇帝のために建てられた図書館。
- 宴会場、兵舎、教会、浴場 など、広大な宮殿群が残る。
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ゴンダール様式の建築
- エチオピアの伝統建築とポルトガル、インド、アラブの影響が融合。
- 石造りの要塞のような外観と、美しい内部装飾が特徴。
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宗教的建造物
- デブレ・ベルハン・セラシエ教会(Debre Berhan Selassie):ゴンダールで最も有名な教会で、天井に描かれた天使のフレスコ画が有名。
- ファシラダスの浴場(Fasilides’ Bath):現在も「ティムカット(Timkat, エチオピア正教の洗礼祭)」の儀式に使われる聖なる水場。
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イヤス1世宮殿(Iyasu I’s Palace) |
- 観光地として整備され、多くの訪問者が訪れる。
- ユネスコとエチオピア政府による修復・保存活動が進行中。
- 地震や戦争の影響で損傷した建築物もあるが、保護の努力が続いている。
アクセス
- 所在地:エチオピア・ゴンダール
- 最寄り空港:ゴンダール空港(アディスアベバから国内線で約1時間)
- 入場料:約10~20米ドル(観光ガイド付きツアーもあり)
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ファシラダスの浴場(Fasilides’ Bath) |
まとめ
ファジル・ゲビは、エチオピア帝国の繁栄を象徴する壮大な王宮群であり、ゴンダール様式と呼ばれる独特の建築文化を今に伝える貴重な世界遺産 です。アフリカ、ヨーロッパ、アジアの文化が融合した建築は、エチオピアの歴史と多様性を象徴する遺産として高く評価されています。
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