チャン・チャン(Chan Chan)は、ペルー北部 に位置する南米最大の土造りの都市遺跡で、かつてプレ・インカ時代に栄えた チムー王国(Chimú) の首都でした。9世紀から15世紀にかけて繁栄し、約60,000人が住んでいたと考えられています。1986年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されましたが、風化やエルニーニョ現象による被害のため、危機遺産リスト にも掲載されています。
歴史
- 9世紀:チムー王国の首都として建設される。
- 13~15世紀:最盛期を迎え、アンデス地域最大の都市に成長。
- 1470年頃:インカ帝国のトゥパク・インカ・ユパンキに征服され、チムー王国が滅亡。
- 16世紀以降:スペイン人による略奪が進み、都市は放棄される。
特徴
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土造りの巨大都市
- 約 20㎢ の広大な都市遺跡で、世界最大のアドベ(日干しレンガ) 建築群。
- 宮殿、神殿、住居、水路などが計画的に配置されている。
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王宮と城壁都市
- 10の宮殿(シウダデラ)があり、それぞれが王の居住区だった。
- 壁には 波や魚、鳥などのレリーフ が刻まれ、海と強く結びついた文化を反映している。
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高度な水利システム
- 砂漠地帯にありながら、地下水を利用した灌漑システムが発達。
- 貯水池や水路が整備されていた。
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チムー文化の中心
- 金細工や銀細工、織物などの工芸品が発達。
- 人身供犠を伴う宗教儀式が行われていた。
現在の状況
- 風化やエルニーニョ現象による大雨で崩壊が進んでいる。
- 遺跡の保存と修復活動が進められているが、環境変化が課題となっている。
アクセス
- 所在地:ペルー北部、トルヒーヨ市近郊
- 最寄り都市:トルヒーヨ(Trujillo)
- 入場料:大人10ソル(約3ドル)
まとめ
チャン・チャンは、プレ・インカ時代の壮大な文明の証であり、土造りの都市遺跡として世界的に貴重な存在です。しかし、気候変動や自然災害による劣化が進み、保護活動が急務となっています。ペルー北部を訪れる際は、ぜひ立ち寄りたい歴史的スポットです。
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