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ティカル国立公園(Tikal National Park) |
ティカル(Tikal)は、グアテマラ北部のペテン地域に位置する古代マヤ文明の都市遺跡 で、最盛期には10万人以上が住んでいたとされるマヤ最大級の都市 です。6世紀から9世紀にかけて繁栄し、多くの神殿や宮殿、ピラミッドが築かれました。ジャングルに埋もれていたこの遺跡は19世紀に発見され、考古学的な発掘と研究が進められています。1979年にユネスコ世界遺産(文化・自然複合遺産) に登録されました。
歴史
- 紀元前400年頃:最初の定住が始まり、都市が形成される。
- 紀元4~6世紀:マヤ文明の中心地の一つとして発展。
- 8~9世紀:ティカル王朝の最盛期を迎え、ピラミッドや宮殿が多数建設される。
- 9世紀末:突如として都市が衰退し、放棄される(気候変動や戦争が原因とされる)。
- 19世紀:ヨーロッパ人探検家によって再発見される。
- 20世紀以降:発掘と保存活動が進められ、観光地としても発展。
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ティカル神殿Ⅰ(Temple I, ジャガーの神殿) |
特徴
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マヤ文明の建築技術の粋を集めた都市遺跡
- ティカル神殿Ⅰ(Temple I, ジャガーの神殿):高さ約47mのピラミッド型神殿で、ティカルの象徴的存在。
- ティカル神殿Ⅱ(Temple II, 仮面の神殿):神殿Ⅰの向かいに建てられた建造物。
- ティカル神殿Ⅳ(Temple IV):高さ約70mで、マヤ世界最大級のピラミッド。
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中央アクロポリスと大広場
- 中央アクロポリス:王族の住居や行政施設があったエリア。
- 大広場(Gran Plaza):神殿や宮殿に囲まれた重要な儀式の場。
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ジャングルに埋もれた遺跡
- ティカル遺跡は、熱帯雨林の中に位置し、発掘されていない建造物がまだ多く残されている。
- 周囲の森には、ジャガーやオウム、クモザルなどの野生動物が生息している。
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マヤ天文学と宗教の中心地
- 太陽や月の動きを基にした天文観測が行われ、ピラミッドの配置にも天文学的な意味が込められている。
- 王たちは神の代理人 としてピラミッドの頂上で儀式を行ったとされる。
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ティカル神殿Ⅱ(Temple II, 仮面の神殿) |
現在の状況
- 観光地として人気 があり、多くの考古学ツアーが催行されている。
- 発掘と修復が進行中 で、まだ未発掘の建造物が多数残る。
- 自然保護と観光の両立 が課題となっており、持続可能な観光が推奨されている。
アクセス
- 所在地:グアテマラ北部・ペテン地域
- 最寄り都市:フローレス(Flores)から車で約1.5時間
- 入場料:約150グアテマラケツァル(約2,500円)
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ティカル神殿Ⅳ(Temple IV) |
ティカルは、マヤ文明の高度な建築技術と天文学の知識を示す貴重な遺跡 であり、熱帯雨林と遺跡が融合するユニークな世界遺産 です。壮大なピラミッドがジャングルの中にそびえ立つ姿は圧巻で、マヤ文明の謎を解き明かす鍵となる重要な考古学的遺跡の一つとされています。
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