2025年2月19日水曜日

世界遺産:キト(City of Quito)ー エクアドル

キト(City of Quito)

キト(Quito)は、エクアドルの首都であり、南米最古の歴史的都市のひとつ です。16世紀にスペイン人によって建設されたコロニアル都市で、スペイン植民地時代の建築が良好な状態で保存されていることから、1978年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。実は、ユネスコが初めて世界遺産を認定した都市のひとつ(ポーランドのクラクフと同時登録)でもあります。

歴史

  • 紀元前:先住民族キトス族が定住。
  • 15世紀:インカ帝国の支配下に入り、北部の中心地となる。
  • 1534年:スペインの征服者セバスティアン・デ・ベラルカサルによって征服され、植民都市として発展。
  • 16〜18世紀:スペイン植民地時代にカトリック教会や修道院、豪華な宮殿 が多数建設される。
  • 1809年:スペインからの独立運動が始まる(エクアドル独立の発端)。
  • 20世紀以降:急速な都市化が進みつつも、歴史地区の保護が進められる。

独立広場(Plaza de la Independencia)

特徴

  1. 南米で最も保存状態の良いコロニアル都市

    • 石畳の通り、美しい広場、カラフルな建物 が残る。
    • スペイン・ムデハル(イスラム文化の影響を受けたスペイン様式)・バロック建築が融合 した独特の都市景観。
  2. 歴史的建築物の宝庫

    • 独立広場(Plaza de la Independencia):旧市街の中心で、大統領府や大聖堂がある。
    • キト大聖堂(Catedral Metropolitana de Quito):16世紀に建てられた荘厳なカトリック教会。
    • ラ・コンパニーア教会(Iglesia de la Compañía de Jesús):内部が金箔で覆われた南米屈指のバロック建築。
    • サン・フランシスコ修道院(Monasterio de San Francisco):1536年建設、南米最古の修道院のひとつ。
  3. 標高2,850mの高地都市

    • 世界で2番目に高い首都(1位はボリビアのラパス)。
    • アンデス山脈に囲まれ、美しい景観を持つ。
  4. 文化と芸術の中心地

    • 「キト派(Escuela Quiteña)」と呼ばれるバロック美術の流派 が発展。
    • キトのカーニバルや宗教行事 では、伝統的な音楽やダンスが披露される。

キト大聖堂(Catedral Metropolitana de Quito)

現在の状況

  • 歴史地区は観光名所として人気 だが、一部の建物の老朽化が進行。
  • 都市化が進む一方で、世界遺産としての保護活動も活発
  • 治安面の課題 もあり、観光客には注意が必要なエリアもある。

アクセス

  • 所在地:エクアドル・キト
  • 最寄り空港:マリスカル・スクレ国際空港(市内から約40分)
  • 移動手段:タクシー、バス、徒歩(旧市街は徒歩での観光が便利)

ラ・コンパニーア教会(Iglesia de la Compañía de Jesús)

まとめ

キトは、スペイン植民地時代の建築が色濃く残る南米の歴史都市で、世界遺産第1号にも登録された貴重な文化遺産 です。標高の高いアンデスの美しい景観と、壮麗なバロック建築が調和した街並みが魅力で、エクアドルの歴史と文化を感じることができる特別な場所です。




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