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ボヤナ教会(Boyana Church) |
ボヤナ教会(Boyana Church, Боянска църква)は、ブルガリアの首都ソフィア郊外にある中世の正教会の教会 で、特に13世紀のフレスコ画 が世界的に評価されています。バルカン半島の正教会美術の発展において重要な役割を果たし、1979年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。
歴史
- 10世紀:最初の教会が建設される(現在の一部)。
- 11世紀:拡張工事が行われ、より大きな教会となる。
- 1259年:第二次ブルガリア帝国時代に、セバストクラトル・カロヤン によって大規模な改修が行われ、フレスコ画が描かれる。
- 19世紀:オスマン帝国統治時代に使用が減るが、ブルガリア独立後に再評価される。
- 20世紀以降:修復が進み、保存活動が本格化。
特徴
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3つの時代にわたる建築
- 10世紀の初期部分(最古の部分)。
- 11世紀の拡張部分(より大きな建物へ)。
- 1259年の拡張部分(最も評価の高いフレスコ画が描かれた)。
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13世紀のフレスコ画(ブルガリア正教美術の最高傑作)
- イエス・キリストや聖母マリアの生涯を描いた鮮やかなフレスコ画。
- 当時のブルガリア貴族や王族の肖像画もあり、リアルな表現技法が特徴。
- ビザンティン美術の影響を受けつつ、独自のブルガリア美術が発展している。
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ブルガリアの文化と歴史の象徴
- 中世ブルガリアの美術・文化の発展を示す重要な遺産。
- フレスコ画は「ルネサンスよりも前のリアリズム表現」として評価されている。
現在の状況
- 一般公開されているが、入場制限があり、一度に多くの観光客は入れない。
- 湿気や劣化を防ぐため、保存・修復活動が続けられている。
- ユネスコの支援を受け、歴史的価値の維持が進められている。
アクセス
- 所在地:ブルガリア・ソフィア郊外(ヴィトシャ山のふもと)
- 最寄り都市:ソフィア市内から車で約20分
- 入場料:大人約10ブルガリアレフ(約600円)
まとめ
ボヤナ教会は、ブルガリア正教美術の頂点を示す貴重な中世教会 であり、特に1259年のフレスコ画 は「東欧の美術史における傑作」とされています。ビザンティン美術とブルガリア独自の美術様式が融合したこの教会は、東ヨーロッパの宗教・文化の発展を知る上で欠かせない世界遺産です。
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