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ベニ・ハンマードの城塞(Beni Hammad Fort) |
ベニ・ハンマードの城塞(Beni Hammad Fort, قلعة بني حماد)は、アルジェリア北部 にある11世紀のイスラム王朝の城塞都市遺跡です。11世紀初頭にハンマード朝(Hammadid dynasty) の最初の首都として築かれ、北アフリカのイスラム建築と軍事防衛の重要な遺構として評価されています。1980年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。
歴史
- 1007年:ハンマード朝の創始者 ハンマード・イブン・ブラキン(Hammad ibn Buluggin) によって建設開始。
- 11世紀前半:王国の首都として繁栄し、要塞、宮殿、モスクが建設される。
- 1090年:ムラービト朝の侵攻により、首都がベジャイアに移され、城塞は放棄。
- 19~20世紀:考古学的調査が進み、遺跡の重要性が再評価される。
- 1980年:ユネスコ世界遺産に登録。
特徴
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イスラム建築の傑作
- 城塞には、宮殿、モスク、防壁、貯水池 などが残っており、11世紀のイスラム建築の典型 を示している。
- ハンマード朝は、北アフリカのイスラム都市計画に大きな影響を与えたとされる。
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大モスクとミナレット
- 北アフリカ最古級のミナレット(高さ約20m)が現存。
- モスクは、当時の学問や宗教の中心として機能した。
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軍事防衛の要塞
- 山間部に築かれた堅牢な城壁(全長7km)が特徴。
- アルジェリアの最も強固な要塞都市 として設計され、周囲の地形を活かした防御が施された。
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豊かな文化と交易の中心
- 11世紀には商業と文化の中心として栄え、北アフリカとサハラ交易の拠点だった。
- 陶器や金属細工 などの工芸品が発掘されている。
現在の状況
- 遺跡は現在も発掘と保存作業が続行中。
- 観光地としても訪問可能 だが、アクセスが限られている。
- 気候変動や風化の影響を受けており、保護対策が求められている。
アクセス
- 所在地:アルジェリア北部・ムシラ県(M'Sila Province)
- 最寄り都市:アルジェ(Algiers)から約200km
- 交通手段:陸路での移動が主(バスや車)
まとめ
ベニ・ハンマードの城塞は、11世紀のイスラム王国の首都として繁栄した要塞都市 であり、北アフリカのイスラム建築や都市計画の歴史を伝える貴重な遺跡です。現在もその遺構が残り、アルジェリアの歴史と文化を知る上で重要な世界遺産の一つとなっています。
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