2025年2月16日日曜日

世界遺産:アグラ城塞(Agra Fort)ー インド

アグラ城塞(Agra Fort, आगरा का किला)

アグラ城塞(Agra Fort, आगरा का किला)は、インド北部ウッタル・プラデーシュ州アグラにある、ムガル帝国の要塞 で、16世紀に建設されました。タージ・マハルと並ぶアグラの歴史的建造物であり、1983年にユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されました。ムガル帝国の歴代皇帝が住み、政治・軍事の中心地として機能した要塞です。

歴史

  • 16世紀以前:この地にはラージプート族の城があった。
  • 1565年:ムガル帝国第3代皇帝アクバル によって現在の城塞が建設開始。
  • 17世紀初頭:皇帝シャー・ジャハーン によって、白大理石を使った宮殿が増築される。
  • 1658年:シャー・ジャハーンが息子アウラングゼーブ によって幽閉される。
  • 19世紀:イギリス統治時代に一部が破壊・改修される。

ムサンマン・ブルジ(Musamman Burj)

特徴

  1. 赤砂岩の壮大な城壁

    • 城塞全体は赤砂岩で造られた堅牢な防御構造 を持つ。
    • 城壁の長さは 約2.5km、高さは 約21m
    • 2つの主要な門(デリー門、アマル・シン門)があり、かつては敵の侵入を防いでいた。
  2. 内部の宮殿やモスク

    • ジャハーンギール宮殿(Jahangiri Mahal):アクバル帝が建設した王族の宮殿。
    • ムサンマン・ブルジ(Musamman Burj):シャー・ジャハーンが幽閉された白大理石の塔で、ここからタージ・マハルを眺めていたとされる。
    • シーシュ・マハル(Sheesh Mahal):「鏡の宮殿」とも呼ばれ、美しい鏡細工が施されている。
    • モティ・マスジド(Moti Masjid):白大理石で作られた「真珠のモスク」。
  3. ムガル帝国の歴史的な要塞都市

    • 城塞内には宮殿、庭園、モスク、貯水池があり、ひとつの都市のような構造 を持つ。
    • アクバル、ジャハーンギール、シャー・ジャハーンといった歴代皇帝がここを拠点とした。

ジャハーンギール宮殿(Jahangiri Mahal)
現在の状況

  • 観光地として公開 され、多くの訪問者が訪れる。
  • 一部はインド軍の管轄下にあり、一般公開されていない部分もある
  • 保存・修復活動が進行中 で、遺産保護の取り組みが行われている。

アクセス

  • 所在地:インド・ウッタル・プラデーシュ州アグラ
  • 最寄り都市:デリーからアグラまで車または列車で約3時間
  • 入場料:外国人向け 約650インドルピー(約1,200円)

モティ・マスジド(Moti Masjid)

まとめ

アグラ城塞は、ムガル帝国の権力と栄光を象徴する壮大な城塞 であり、タージ・マハルとともにアグラを代表する世界遺産です。赤砂岩の城壁と内部の美しい宮殿群が歴史を語り、特にシャー・ジャハーンがタージ・マハルを眺めながら幽閉された逸話が訪れる人々の興味を引きます。


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