![]() |
キュレネ(Cyrene) |
キュレネ(Cyrene)は、現在の リビア東部 に位置する古代ギリシャ都市で、地中海世界で最も重要な都市の一つでした。紀元前7世紀にギリシャ人によって建設され、交易、学問、文化の中心地として繁栄しました。遺跡は現在 ユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されており、ギリシャ、ローマ、ビザンティンの影響を受けた壮大な遺構が残っています。
![]() |
アポロン神殿(Temple of Apollo) |
歴史
- 紀元前631年:ギリシャのテラ島(現在のサントリーニ島)からの移民によって建設される。
- 紀元前4世紀:アフリカ北部の重要な都市として発展し、ギリシャ文化が栄える。
- 紀元前331年:アレクサンドロス大王の支配下に入る。
- 紀元前1世紀:ローマ帝国の属州となり、繁栄を続ける。
- 4世紀以降:ビザンティン帝国の支配下に入り、徐々に衰退。
- 7世紀:アラブ人の侵攻により都市が放棄される。
![]() |
ゼウス神殿(Temple of Zeus) |
-
アポロン神殿(Temple of Apollo)
- 紀元前7世紀に建設された、キュレネ最大の神殿。
- ギリシャ時代からローマ時代にかけて何度も改築された。
-
ゼウス神殿(Temple of Zeus)
- 紀元前5世紀に建てられた巨大な神殿で、アテネのパルテノン神殿よりも大きい。
- ローマ時代に破壊されたが、一部復元されている。
-
円形劇場(Theater of Cyrene)
- 紀元前2世紀に建設されたギリシャ式劇場で、ローマ時代に改築。
- 5,000人以上を収容できたとされる。
-
アゴラ(Agora)とストア(Stoa)
- 古代ギリシャの都市生活の中心で、市場や政治の議論の場として機能。
- 周囲には彫像やモニュメントが配置されていた。
-
ローマ時代の遺構
- 公衆浴場や競技場(スタジアム)、水道橋など、ローマの影響を受けた建築が多く残る。
![]() |
円形劇場(Theater of Cyrene) |
アクセス
- 所在地:リビア東部(シャハート市近郊)
- 最寄り都市:ベンガジ(Benghazi)から車で約3時間
- 入場料:観光情報は情勢によるため事前確認が必要
まとめ
キュレネは、古代ギリシャとローマの文化が融合した壮大な遺跡であり、地中海世界の歴史を知る上で重要な場所です。特にアポロン神殿やゼウス神殿の遺構は圧巻で、考古学的にも価値の高い遺跡群が残っています。現在はリビアの政治状況により訪問が困難な場合もありますが、世界遺産として保存が進められています。
0 件のコメント:
コメントを投稿