2025年2月5日水曜日

世界遺産:キュレネ(Cyrene)ーリビア

キュレネ(Cyrene)

キュレネ(Cyrene)は、現在の リビア東部 に位置する古代ギリシャ都市で、地中海世界で最も重要な都市の一つでした。紀元前7世紀にギリシャ人によって建設され、交易、学問、文化の中心地として繁栄しました。遺跡は現在 ユネスコ世界遺産(文化遺産) に登録されており、ギリシャ、ローマ、ビザンティンの影響を受けた壮大な遺構が残っています。

アポロン神殿(Temple of Apollo)

歴史

  • 紀元前631年:ギリシャのテラ島(現在のサントリーニ島)からの移民によって建設される。
  • 紀元前4世紀:アフリカ北部の重要な都市として発展し、ギリシャ文化が栄える。
  • 紀元前331年:アレクサンドロス大王の支配下に入る。
  • 紀元前1世紀:ローマ帝国の属州となり、繁栄を続ける。
  • 4世紀以降:ビザンティン帝国の支配下に入り、徐々に衰退。
  • 7世紀:アラブ人の侵攻により都市が放棄される。

ゼウス神殿(Temple of Zeus)
特徴

  1. アポロン神殿(Temple of Apollo)

    • 紀元前7世紀に建設された、キュレネ最大の神殿。
    • ギリシャ時代からローマ時代にかけて何度も改築された。
  2. ゼウス神殿(Temple of Zeus)

    • 紀元前5世紀に建てられた巨大な神殿で、アテネのパルテノン神殿よりも大きい。
    • ローマ時代に破壊されたが、一部復元されている。
  3. 円形劇場(Theater of Cyrene)

    • 紀元前2世紀に建設されたギリシャ式劇場で、ローマ時代に改築。
    • 5,000人以上を収容できたとされる。
  4. アゴラ(Agora)とストア(Stoa)

    • 古代ギリシャの都市生活の中心で、市場や政治の議論の場として機能。
    • 周囲には彫像やモニュメントが配置されていた。
  5. ローマ時代の遺構

    • 公衆浴場や競技場(スタジアム)、水道橋など、ローマの影響を受けた建築が多く残る。

円形劇場(Theater of Cyrene)

アクセス

  • 所在地:リビア東部(シャハート市近郊)
  • 最寄り都市:ベンガジ(Benghazi)から車で約3時間
  • 入場料:観光情報は情勢によるため事前確認が必要

まとめ

キュレネは、古代ギリシャとローマの文化が融合した壮大な遺跡であり、地中海世界の歴史を知る上で重要な場所です。特にアポロン神殿やゼウス神殿の遺構は圧巻で、考古学的にも価値の高い遺跡群が残っています。現在はリビアの政治状況により訪問が困難な場合もありますが、世界遺産として保存が進められています。


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